なぜ「赤ちゃんの遺棄殺人」が起きるのか 共通点は

高松市で赤ちゃん3人の遺体を遺棄し、うち1人を殺害したとして殺人と死体遺棄の罪に問われた母親の裁判員裁判が先月開かれました。弁護側の証人として出廷したのが、蓮田理事長でした。

4年前から、全国の同じような事件の裁判に10例以上関わり、女性たちの話を聞く中で見えてきた共通点があるといいます。

(慈恵病院 蓮田健理事長)
「まずは『愛着障害』という家族との関係の悪さです。虐待もありました。あと、発達障害ですね。発達症」

「特にADHDと呼ばれる発達症というのがありますし、それから殺人に限っては赤ちゃんの殺人をこれまで7例経験していますけども、殺人に限っては全例が『境界知能』と呼ばれる、知的障害のボーダーライン的なところ、そういった状況をお持ちでした」

「頑張ろうと思っても、能力的に、環境的にできない人がいる」ということを知ってもらいたい。一方で、「赤ちゃんに手をかける行為は許されない」と、蓮田理事長は話します。

高松市の母親についても、家族から孤立していたことや障害特性などが裁判の過程で明らかになっています。母親は法廷で子どもたちへの謝罪の気持ちを述べました。「かわいい子の未来を奪ってしまったこと。自分のしたことから逃げてしまったことを謝りたい。ごめんなさい」