赤ちゃんの遺棄や殺害事件は、全国で後を絶ちません。こうした事件を防ぎたいと支援を続けるのが、熊本県でいわゆる「赤ちゃんポスト」を運営する慈恵病院の蓮田健理事長です。
高松市を訪れた蓮田理事長に、活動への思いを聞きました。
ご存知ですか?「こうのとりのゆりかご」
(慈恵病院 蓮田健理事長)
「たぶんご存じない方もいると思うんです、赤ちゃんポストとか。特に若い人を中心として『そんなものがあるんだ』と知ってもらうことで、緊急避難というのを認識してもらえるかなと思っています」

熊本県の慈恵病院理事長で、産婦人科医の蓮田健さんです。慈恵病院では、親が育てられない乳幼児を匿名でも預かる「こうのとりのゆりかご」を18年前に開設し、昨年3月までに179人が受け入れられました。
一方で、匿名で預かることについてや、子どもが実の親を知る権利を保証する観点などから、様々な意見があります。
蓮田理事長は、赤ちゃんポストの運用に揺るぎない信念を持っています。
(慈恵病院 蓮田健理事長)
「赤ちゃんの遺棄殺人を減らすために赤ちゃんポストを始めたわけです。どこの地域でもこういった事件がおきると、『かわいそうだ』『母親はひどいやつだ』となるんですけど」
「実際に遺棄とか殺人をする人たちが、何を考えて何で困ってこういった事態になるのかは、私共が知らないと次につなげられませんので」
