川に落ちて頭から出血するなどのけがをしていた65歳の男性。約8時間にわたり水に浸かっていた男性を助けたのは、ある家族の連携プレーでした。

父の努さん(44)と秀さん(12)



21日表彰されたのは名護市の中学生・花原秀さん(12)と、父の努さん(44)歳、母の望さん(44)の3人です。

警察によりますと3人は、川底に落ちて頭から出血するなどのけがをしていた65歳の男性を見事な連携で助けたといいます。

いったい何があったのでしょうか。男性は先月29日午後11時ごろ、帰宅途中に何らかの原因で川底に転落したとみられています。

それから約8時間、身動きが取れない男性を最初に見つけたのが、名護高校付属桜中学に通う中学1年生花原秀さんでした。当時の状況を秀さんと努さんに現場で聞きました。

中学生・秀さん
「手前に横たわっていて頭から血を流していました」


先月30日午前7時半ごろ、自転車で登校中の秀さんは、地面から約3メートル下の川底にいる男性を見つけました。

秀さんは電話で家族に状況を伝え両親がその場に駆けつけるまでの間「名前はわかりますか?」などと呼びかけ続けました。

中学生・秀さん
「ちょっと動いていたので、意識はありましたけど、受け答えには全然応じられない感じだった」

父・努さん
「上から見てもはっきりわかるぐらいかなり出血していました」
「妻が119番して、かなり深いので僕が下りて、介抱するというか声かけしながら、少しでも冷たくないようにしようと思って右側の陸に誘導しました」

努さんは咄嗟の判断で自らも川底に下り、安全な場所に男性を移動させました。

父の努さん
「身体に触れたんですけど、かなり、その日朝も気温も低くて水温もかなり冷たかったです。身体も本当に冷たかったです」


秀さんの母、望さんは119番通報を行い救急隊に助けを求めました。

花原さん家族の連携プレーによって救助された男性は、腰と頭の骨を折るなどの大けがをし現在も入院して治療を受けているといいます。

今回の出来事を受けて父の努さんは息子のことをこう話しました。

父・努さん
「生き物好きですし、人も好きなので、放っておけることはない。必ずこういうことがあったら助ける人間だと思う」

蟻などの生き物が好きな秀さんは将来、生き物に携わる仕事に就きたいと話していました。

花原さん家族には名護警察署の沖田暢彦署長から感謝状が手渡されています。