■始まりは、列車とシカのとの衝突対策装置 その名も「鹿ソニック」
捕獲や殺処分ではない方法で動物と人間との距離を保とうと、山梨県の企業と共同開発した装置を使い研究を続けています。


その1つが、シカとの衝突事故に悩まされていた鳥取県の若桜鉄道の線路に設置した、高周波を出す「鹿ソニック」です。

「鹿ソニックの音(動画参照)」

シカは音を嫌がり、自ら新たな道を開拓。線路の下をくぐるようになったため、事故は劇的に減りました。
■さらにイノシシ対策の「いのドン」→「くまドン」に発展!
さらに農作物を食い荒らしたり車と衝突したりするなど人間を悩ませるイノシシの対策として、瀬戸内市に設置しているのがその名も「いのドン」。


「いのドンの音(動画参照)」

イノシシに聞こえやすいという低い音です。この「いのドン」をクマ対策にも生かせないかと、音量を大きく改良した装置が「くまドン」です。

■北海道の3つの自治体に設置 「くまドン」の効果は?
自治体や農家から依頼があった、北海道の剣淵町・富良野市・中札内村に設置しました。

映像は、中札内村の公園に現れた若いクマです。


「くまドンの音(動画参照)」
この日以来、クマの気配が消え、住民から安堵の声が聞かれるということです。


従来、音での対策は動物が慣れてしまうため、すぐに効き目がなくなるとされてきましたが、これらの装置は「周波数」や「音のパターン」を変えることができる点が強みです。今後も改良を続ければ、有効な対策になり得るといいます。

(岡山理科大学・辻維周教授)
「動物は、どうやったって慣れるものは慣れる、だから慣れないように、または慣れてきたらまた変える、という部分の小回りを利かせないといけないので」