災害時、テレビ画面や携帯電話で避難情報などを表示するLアラートについての疑問を調査しました。
熊本県の球磨村が、ひらがなで「くまむら」と表示されています。これは打ち間違いではなく、村が意識的に発信しています。
なぜ球磨村は村名をひらがなで情報発信しているのでしょうか。
米満 薫アナウンサー
「球を磨くと書いて『球磨村』しかしLアラートではひらがな表記で「くまむら」となっています。それはなぜなのか?調査しました」

球磨村役場にある防災センター。災害時、村に避難情報を放送し被害状況をまとめる災害時の防災拠点です。今年7月、球磨村で大雨が振り高齢者等避難が出されました。
この時、携帯電話で通知される緊急の避難情報の案内で「球磨村」が誤って音声アナウンスされた事例が報告されました。

球磨村役場 防災管理官 中渡 徹さん
「球磨村を『たまむら』(携帯電話が)と読んでいるということで、くまむらと正しく読むように修正したらどうだと。それが事の発端、始まりです」
その疑問を指摘した球磨村に住む柳詰 茂久(やなづめ しげひさ)さん。対応を役場に持ちかけました。

柳詰さん
「(最初は)しょうがないと思ったんですけれど、(あとで)絶対それはおかしいと思ったんですよね」
「たまむら」とアナウンスされた原因は携帯電話のAIの誤変換でした。

中渡 さん
「自動で(音声に)変換する時に漢字名を「たまむら」と読んでしまうことが
原因だったようです」

この現象を受け村は…
中渡 さん
「そこで球磨村を漢字ではなくて、ひらがな表記で送ったということです」
AIの自動音声で間違えて変換されるなら、最初からひらがなで情報発信しようという判断です。

大手携帯会社によりますと「AIの精度によるので同じ会社・キャリアの携帯電話でも端末によって違いが出る」ということですが、命を守るLアラートの情報が間違いなく対象者に届くということが最重要です。

中渡 さん
「『たまむら』と読まれるよりも、球磨村を「くまむら」とひらがなで発信というのは正しい。間違ってはいないわけですから。村としてはそのように対応するしかないのかなと思っています」