就任1か月となるアメリカのトランプ大統領。その発言が世界を騒がせています。19日には、ウクライナのゼレンスキー大統領を「独裁者」と強く批判しました。ゼレンスキー氏はもちろん、ヨーロッパの首脳も反発しています。

関税引き上げや、パレスチナ自治区ガザをアメリカが所有するといった発言など、世界を揺るがす言動が止まらないトランプ大統領。

19日、ホワイトハウスが「X」に投稿したのが、王冠をかぶったトランプ氏のイラストです。「国王万歳」と書かれていて、トランプ氏も同じ言葉を自身のSNS上に投稿していたことから、アメリカの新聞「ニューヨーク・タイムズ」は「トランプ氏が自らを王に例えた」と伝えています。

そのトランプ氏、この日はこんな発言も。

アメリカ トランプ大統領
「ゼレンスキーが得意だったのは、バイデンを巧みに操ることだけだ。選挙なき独裁者、ゼレンスキーは早く動かなければ、国を失うことになる」

ウクライナはロシアによる侵攻をうけ、大統領選挙の実施を見送っていますが、ゼレンスキー氏が「選挙の実施を拒否し、ウクライナの世論調査では支持率はとても低い」と主張。そのうえで、「選挙なき独裁者」と強く批判したのです。

アメリカ トランプ大統領
「そこそこ成功したコメディアンのゼレンスキーは、アメリカに3500億ドルを費やすよう説得し、勝てない戦争、始める必要のなかった戦争に突入させた」

一方、ゼレンスキー氏は、トランプ氏が18日に「ゼレンスキー氏の支持率は4%しかない」などと発言したことについて…。

ウクライナ ゼレンスキー大統領
「支持率4%という誤情報はロシアから来ている。残念ながらトランプ氏は、その誤情報にとらわれている」

「ロシアの誤情報にとらわれている」と批判しました。

ウクライナの調査機関が2月初旬に行った世論調査では、ゼレンスキー氏を「信頼する」と回答した人は57%となっています。

トランプ氏の発言については、ヨーロッパの首脳からも反発の声が。

ドイツ ショルツ首相
「ゼレンスキー氏は3年近く、ロシアの容赦のない侵略戦争から自国を防衛してきた」

イギリス スターマー首相
「イギリスが第二次世界大戦中にそうしたように、戦時中に選挙を中止することは合理的だ」

しかし、その後もトランプ氏のゼレンスキー氏への攻撃は止まりませんでした。

一方で、「ロシアとはうまくやっている」と強調。

アメリカ トランプ大統領
「我々はロシアと非常にうまくやっている。彼(ゼレンスキー氏)ができなかったことを、ロシアとやろうとしている。我々はロシアと取引をして、何百万人もの人々の殺害を止めることができる」

ゼレンスキー氏の大統領としての正当性を疑問視するプーチン氏をなぞるような発言に、関係国の懸念は募るばかりです。