亡くなった家族のスマホのロック解除ができず、ネット銀行の口座やサブスクの解約ができない―そんな「デジタル遺品」のトラブルが急増しています。

実際に起きた「デジタル遺品」トラブル

国民生活センターによせられた相談事例です。

事例①:「亡くなった兄のネット銀行口座を確認できない」
→ 亡くなった兄が生前利用していたネット銀行の口座を確認するため、携帯ショップでスマホの画面ロック解除を依頼。しかし「初期化はできるが、ロック解除はできない」と言われ、口座情報を確認できなかった。(60代)

事例②:「夫のスマホを解約後、サブスク契約が残っていることが判明」
→ 夫が亡くなった後、スマホを解約したが、後になってセキュリティサービスのサブスクリプション契約が継続していることが分かった。事業者に解約を申し出たが、「IDとパスワードがなければすぐに解約できない」と言われ、困っている。(80代)

トラブルの原因

●スマホやPCのパスワードが分からないとロック解除できない
●ネット銀行や電子マネーなど、オンライン資産の契約が確認できない
●サブスクリプション(サブスク)は解約手続きをしない限り請求が続く
●相続手続きに時間がかかり、必要なデータにアクセスできない

総務省の調査によると、スマートフォンの利用率は60代で78.3%、70代で49.4% に達しています(令和5年通信利用動向調査)。家族が故人の契約を確認できない、解約できないなどデジタル遺品を巡るトラブルは今後増えると考えられます。

「デジタル終活」今からできる4つの対策

スマホ等のID・パスワードは、第三者に知られないよう適切に管理することが重要ですが、その一方で万が一の場合、家族などがロック解除できるようにしておく必要があります。

① スマホやPCのロック解除ができるようにしておく
→ 名刺サイズの紙にID・パスワードを記入し、修正テープでマスキングする「スマホのスペアキー」を作成。 家族が見つけられる場所に保管する。

② ネット上の契約を整理する
→ ネット銀行や電子マネー、サブスクの契約情報(サービス名・ID・パスワード)をリスト化 し、家族が分かるようにする。

③ エンディングノートを活用する
→ デジタル資産のリストを エンディングノート にまとめておく。

④ スマホの「遺族用アクセス設定」を活用
→ GoogleやAppleには、故人のアカウントにアクセスできる「遺族用アクセス設定」があるため、事前に設定しておくとスムーズに対応可能。

家族のために「デジタル終活」

スマホやネットサービスが生活の一部となった今、「デジタル遺品」のトラブルは誰にでも起こり得ます。家族が困らないよう、今のうちにスマホやネット契約の情報を整理し、「デジタル終活」を進めることが大切です。