教育現場での教職員による性加害から子どもを守る法律が施行され、まもなく3年となります。これに伴い、各都道府県では、教職員免許の再授与に関する審査会が設置されます。
深刻な社会問題となっている教職員の性加害。文科省によりますと、2023年度に児童や生徒など18歳未満への性犯罪で懲戒処分を受けた教職員の数は全国で320人、過去5年間で最多となっています。

こうした中、「教員による性暴力防止法」が2022年4月に施行。これまでは性加害で免許を失った教職員は、3年が経過すると本人の申請だけで免許が再授与されていました。
これを改め、18歳未満への性加害をした教職員については、都道府県ごとに設置される審査会の意見を踏まえた上で再授与の可否が判断されます。
2月3日に開かれた大分県教育委員会で山田雅文県教育長は、今年4月に設置予定の審査会について意見を述べました。

山田雅文県教育長:
「性暴力の防止はものすごく大事なことである一方で、犯罪者の更生や人権の問題のバランスを考えていく、そういうことでこの制度がある。こんな場合は再授与が可能であると明確に基準を示さないと、委員の個人的な価値観でブレたりするとおかしいと思う」
審査会は、国や県が選んだ医療や法律の専門家など5人以内で構成し、再犯のおそれがないかをそれぞれの観点で判断します。公立や私立のほか、臨時など採用形態も問わず審査を行い、免許が再授与された場合でも採用する側には重い責任があります。
県教委教育人事課 田中秀昭主幹:
「採用した側、大分県でいえば我々となりますが、任命権者の責任も問われることになります。最初から『採用しない』と国も県も言うことはできませんが、かなりハードルの高い条件を課すと思います」