米軍普天間基地の辺野古移設をめぐり、沖縄防衛局は2月15日、大浦湾の軟弱地盤改良に向けて新たな方法によるくい打ち工事に着手しました。

米軍普天間基地の名護市辺野古への移設をめぐり、沖縄防衛局は大浦湾の軟弱地盤改良のため約4年をかけ7万本余りの砂くいを海底に打ち込む方針です。1月、大浦湾ではくい打ち工事が始まりましたが防衛省関係者によりますと2月15日午後、新たな方法によるくい打ち工事が始まりました。

今回新たに始まったのは、砂を投入する筒を振動させより密度の高い砂くいを海底に打ち込む「サンドコンパクションパイル工法」を用いた工事です。防衛局は今後深さがおよそ90メートルに及ぶ「B27地点」の地盤改良工事でもこの工法を用いる方針です。

沖縄防衛局は、3つの工法で軟弱地盤の改良工事を行う計画です。1月29日に始まった「サンド・ドレーン工法」、埋め立て後に陸上で行う「ペーパー・ドレーン工法」そして今回新たに始まった「サンド・コンパクション・パイル工法」の3つです。

「サンド・コンパクション・パイル工法」は、作業船の煙突のようなパイプ=「ケーシングパイプ」を海底に打ち込み、繰り返し振動を与えながら砂を投入し、締め固まった砂くいをつくり地盤を固くしていく工法です。

沖縄防衛局は、滑走路の海底にあたる深さ約90メートルの「B27」とよばれる地点の地盤改良工事もこの工法を用いる計画ですが、政府はこの場所の詳しい調査を
実施せずに、約7万本の杭を打ち込み水深70メートルまでを改良すれば「十分」との見解を示しています。

専門家は「施設が完成した後も地盤沈下の可能性があり維持費も膨らむ」として懸念を示しています。