ロシアとウクライナの戦闘終結に向けたアメリカとロシアの高官協議がきょう、サウジアラビアで行われます。一方、米ロ主導を懸念し、緊急首脳会合を開いたヨーロッパですが、一枚岩とはいかないようです。

サウジアラビアに到着したアメリカのルビオ国務長官。このほか、首都リヤドで行われる高官協議には、アメリカ側からはウォルツ大統領補佐官、ウィットコフ中東担当特使が出席し、ロシア側からはラブロフ外相やウシャコフ大統領補佐官が出席します。

ロシア ウシャコフ大統領補佐官
「重要なのは、米ロ関係の正常化を始めることだ」

ロシア側は、協議ではウクライナ和平が主な議題になるとし、米ロ首脳会談の準備についても話し合うとしていて、アメリカ国務省の報道官は「ロシア側が和平に向けた話し合いに真剣に取り組むかどうかを見極めるためのステップだ」としています。

一方、ウクライナのゼレンスキー大統領は、この高官協議にウクライナ側は参加しないことを明らかにしました。

ウクライナ ゼレンスキー大統領
「ウクライナは参加しない。ウクライナ抜きのいかなる合意も認めない」

ウクライナ抜きでは「いかなる交渉も結果を生まない」と訴えました。

また、ドイツの公共放送の番組では「アメリカはプーチンを喜ばすために都合のいいことばかり言っている。会ってすぐに成果を出したいからだ」などとトランプ政権に対する不満を表明したということです。

こうした中、フランスでは。

記者
「ドイツのショルツ首相が到着しました。ヨーロッパの首脳らが続々と集まってきています」

ヨーロッパの首脳らによる緊急会合が開かれました。

アメリカとロシア主導によるウクライナの戦闘終結に向けた協議に危機感を募らせていて、ヨーロッパとして和平に向け、どのように関わっていくか話し合われたとみられますが、戦闘終結後のウクライナへの軍の派遣をめぐり、立場の違いが浮き彫りになりました。

イギリス スターマー首相
「ヨーロッパは役割を果たさなければならない。永続的な平和協定が結ばれれば、他国とともにイギリス軍の派遣を検討する用意がある」

イギリスのスターマー首相が軍の派遣に前向きな姿勢を表明する一方、ドイツのショルツ首相は部隊派遣の議論について、ウクライナが参加しておらず、現地で戦闘が続いている状態で行われていて「不適切」だなどと発言しました。

ドイツ ショルツ首相
「独裁的に決まった和平をウクライナが受け入れなければならないということはあってはいけない」

マクロン大統領はウクライナの和平に向け「我々は全てのヨーロッパ人、アメリカ人、ウクライナ人とともに取り組む」としていますが、ヨーロッパ内での足並みの乱れがあらわになっています。