ウクライナ情勢をめぐる国連安全保障理事会の会合で、アメリカは、ウクライナ南部のクリミア半島が併合された2014年より前の国境に戻すことは「非現実的」だと訴えました。

アメリカの国連代表
「2014年以前の国境に戻すというのは非現実的だということを認識することから始めるべきだ」

国連の安全保障理事会は17日、ロシアによるウクライナ侵攻を議論する緊急会合を開きました。

この中でアメリカは、「幻想を追い求めれば戦争を長引かせ、さらなる苦しみを生む」などと主張。各国に対し、ウクライナ南部のクリミア半島が併合された2014年より前の国境に戻すことは「非現実的」だと訴えました。

そのうえで、「トランプ大統領が明らかにしたように、アメリカは虐殺を終わらせヨーロッパの安定を取り戻すことに全力を尽くしている」と強調しました。

イギリスの国連代表
「ウクライナほど、この戦争の終結を望んでいる国はありません」

一方で、イギリスが「ウクライナの意見が交渉の中心となるべきだ」訴えたほか、フランスが「ウクライナが関与せずに和平合意したとしても長続きしない」と強調するなど、戦争終結に向けた和平交渉の主導を狙うアメリカとロシアをけん制する声も上がりました。