名古屋市営バスで実際には起きていない渋滞を運行書類に記載するなどの改ざんが行われていたことがわかりました。その背景には「2024年問題」による運転手不足があるようです。
架空の渋滞も 名古屋市営バスが改ざん 残業を「なかったこと」に
各地で相次ぐバスの減便や路線廃止。突然、幼稚園の送迎バスが運行打ち切りを通告される事態も起きています。
残業規制の強化に伴う運転手の人手不足。いわゆる「2024年問題」が広がりを見せる中、JNNの取材で明らかになったのが、名古屋市営バスを巡る不正です。
憤りをあらわにしたのは、名古屋市営バスの運転手です。

名古屋市営バスの運転手
「結局彼らはだんまりを決め込むというか、隠蔽してしまう気質がある。それが許せない」

関係者から入手した市バスのルートや所要時間などが記録された行政文書。去年10月3日の運行実績には、名古屋市千種区で渋滞が発生し、午後4時2分から午後4時33分まで、31分の遅れが出たと書かれています。

しかし、アルコール検査の記録には、渋滞に巻き込まれていたはずの運転手が、午後4時1分には営業所に到着し、検査を受けていたことになっています。

さらに去年10月15日、梅森荘のバス停から猪高営業所まで6.3kmの道のりを、乗客のいない回送で6分で走ったと書かれていますが…
記者
「梅森荘のバス停が見えてきました。ここから6.3キロですね。出発します」
実際に同じルートを走ってみると…

記者
「ここが猪高営業所ですね。所要時間は18分13秒です」
名古屋市営バスの運転手
「正直言って6分で走れるわけがない。我々はジェット機の乗務員ではないので絶対無理」
疑問に思った取材班がこれらの文書を公開請求すると…


去年10月3日の「31分遅れ」については、二重線で削除。6.3kmを「6分で走った」とする記録については、3倍以上の「19分」と改められていました。
なぜ表現が変わっているのか。名古屋市交通局を取材すると…

名古屋市交通局 村上貴信 課長補佐
「不適切な勤務処理が2件ありました」
営業所の担当者が意図的に虚偽の記載をしていたことが発覚し、文書を修正したと明かしました。
名古屋市交通局
「回送をいじっている。回送で帳尻を合わせている」
――実際は起きていない渋滞を起きたことにして公文書に記載?
名古屋市交通局
「はい」
その上で虚偽の記載をした理由については…

名古屋市交通局 村上貴信 課長補佐
「こうした処理をしてしまった助役に聞き取りを行い、9時間のインターバルが取れないので自分の判断でやってしまったと」
背景にあるのは「2024年問題」。国は、去年4月からバスやトラックドライバーの労働時間の規制を強化。バス運転手については、翌日の出勤まで9時間以上の休息を取ることを義務付けました。

しかし、名古屋市営バスでは残業などが発生し、十分な休息が取れない場合、その日の残業をなかったことにして、別の日に付け替え、労働時間を守っているように見せかけていたということです。

名古屋市営バスの運転手
「法を守りながら乗務するということは、利用者の安全で確実な輸送に繋がると思う。内勤者はそれを軽んじている。罪の意識がない。結局、今の市バスの運行は、乗務員の犠牲の上に成り立っている」
安全軽視ともとれる今回の不正に利用者は…
名古屋市営バスの利用者
「休憩を取れないと心身にも来るでしょうし、運転の時にちょっとしたアクシデントがあるかもしれないので少し心配になる」
名古屋市営バスの利用者
「公共の組織は民間の見本になるような姿勢を持っていてほしい」
名古屋市は他にも不正がないかを調べるとしています。














