県議会事務局宛てに届いた県議を批判する内容の市民からの意見を、名前などの個人情報を含め事務局がそのまま議員本人に提供していたことが分かりました。議員はSNSでその本文を公開しています。
県議会事務局によりますと新垣淑豊県議のSNSアカウント「X」への投稿内容を批判する市民からの意見を事務局の職員が今月13日、名前とメールアドレスの個人情報が記載されたまま議員本人に提供したということです。提供された意見は先週、事務局に寄せられた5件全てで、このうち3件について個人情報が記載されていました。
事務局は個人情報を含む内容を県議に提供したことについて「問題ない」としていますが、情報公開に詳しい専門家は問題点を指摘します。
▼情報公開クリアリングハウス 三木由希子 理事長「誰から来たのかというのが重要であればそれは出す必要がある。だけれども、何が来たのかが重要であれば“誰が”のところは本来は要らない。“誰が”を出すのであれば、直接やり取りをしてくださいと事務局が促したということになるので、本来はそれを望んでいたのかどうか、事務局側の説明としては必要」
また、新垣県議は事務局から提供された意見を個人情報を黒塗りしたうえで自らの「X」で公開し、職員の手間を増やすだけのカスタマーハラスメントであり「おやめいただければ」と投稿しています。
▼情報公開クリアリングハウス 三木由希子 理事長「例えばカスハラにあたるからといって企業がカスハラをしている当事者の人をさらすことはしないわけですよ普通は。顔が分からないように音声変更したから良いですにもならないし。特定の人を名指しし、攻撃するようなことになるとか、あるいはそういうものをさらし者にするということが社会的にどういう風に受け止められるかというのは、ハラスメントへの対策だから正当化されるとは限らないということを(企業は)よく理解しているんだと思う」
RBCの取材に対し新垣県議は、そもそも「議会事務局に県議を指導する権限は無い」としたうえで、今回は自らへの批判を事務局に送るようSNSで発信した人がいて、そのことを問題提起するためのものだとしてSNS上に公開したことも問題ないとしています。
▼情報公開クリアリングハウス 三木由希子 理事長「こういう批判がされているけど自分の意図・趣旨はこういうことですと、反論は別にさらさなくてもできる。議員の方が今回やったのはメールを送ってくる人に対する懲罰的な扱いを議員個人が有権者に対してしたという形になるので、本来議会人として望ましい立場でもないし、政治家として望ましい行動ではないと私は思います」
議会事務局は今後、議員へ個人情報を提供することもあるという注意書きをホームページ上に記載するなど対応を検討したいとしています。