病気で全盲となった浅井純子さん(51)。45歳で全ての光を失い、一時は「死のう」とふさぎ込んでいましたが、盲導犬・ヴィヴィッドとの出会いが転機に。“全盲の世界を全力で楽しんでやろう”と考えるようになったと言います。

 そんなヴィヴィッドが10歳を迎え、引退することに。別れの日までに密着しました。

「生きていけない…」絶望を救った盲導犬・ヴィヴィッド

 浅井純子さん(51)。重度の視覚障害があり、今は目が見えていません。そんな浅井さんの“目”となっているのが、オスの盲導犬・ヴィヴィッドです。24時間365日、片時も離れずに生活しています。

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 (浅井純子さん)「(Qヴィヴィッドのどこが好き?)無関心なところ。マイペースなのよね、私と一緒で。そこがいい。ずっと私にべったりしているわけでなく、都合の良いときだけ『ママー』って来る。それは私も一緒。都合の良いときだけ『ヴィヴィー』って行く」

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 浅井さんが外に出るときは、ヴィヴィッドの仕事の時間。障害物を避けたり、段差や曲がり角を教えたり、安全に歩くためのお手伝いをします。

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 浅井さんの体に異変が起きたのは30歳のころ。突然、周りがぼやけて見えたことが始まりでした。病名は「モーレン潰瘍」。自らの免疫が角膜を攻撃する疾患で、医師からは「角膜移植しか治療法がない」と告げられます。数えきれないほどの手術をしましたが、45歳で全ての光を失いました。

 (浅井純子さん)「見えなくなったら生きていけないと思ったんです。なにも楽しみもない。どうやって生活していくんだろうと。もう死のうと思いました」

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 病気が発症したのは夫の茂さん(69)と結婚した翌年でした。茂さんはそれからずっと隣で寄り添い続けてきました。

 (夫・茂さん)「かわいそうだと思いました。面倒見てあげなあかんと。だから逃げ出そうとかは全然なかったです。私が助けないと周りは助けられない。一緒に生活しているので、私しかいない」

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 ふさぎ込んでいた浅井さんに転機が訪れたのは2016年。ヴィヴィッドとの出会いでした。ヴィヴィッドと生活を始めたことで外に出る機会も増え、“全盲の世界”を全力で楽しんでやろうと考えるようになりました。