漫画家・倉田真由美さんが、すい臓がんで亡くなった夫・叶井俊太郎さんの闘病中に書き留めた日記をもとに綴った書籍「抗がん剤を使わなかった夫 〜すい臓がんと歩んだ最期の日記〜」を発売。叶井さんの一周忌命日にあたる2月16日、トークショー「余命宣告された夫を支える“妻“の640日を語る会」を行いました。

倉田真由美さん「余命宣告された夫を支える“妻“の640日を語る会」



倉田さんは、“本当、1年があっという間で。今までの夫がいなくなってからの1年は、去年の今頃はこうだったなって思い出せたんですけど、明日からは去年の今頃も、いなかったなという日々になってしまうので、そういう意味で夫がいた日々が遠ざかってしまうのは怖いんですけど“と、冒頭から涙。“夫は目立つのが大好きな人だったので、こんなに集まっていただいて「おう、良かったじゃん」っていう人なのでね。本当は(トークショーを)見せたいくらい)“と、涙の中に笑顔を浮かべて、亡き夫を偲びました。

倉田真由美さん



トークショーでは、がん発見に至るまでに3つの病院を回ったことや、抗がん剤を打たないことを選択し、最期の日々を生き抜いた叶井さんとの闘病生活、手術後の夫との会話の肉声などが紹介されました。

倉田真由美さん



倉田さんは、叶井さんがインスタント麺やホットケーキのような甘いものが大好きだったことを紹介した上で、“ストレス溜めながら食べたいものを食べられない方が後悔が残ります。私が後悔しているのは、夫が食べたがっているタイミングで食べさせてあげられなかったものについてです。あれを食べさせたと後悔していることはないですね“と、話し、“亡くなる前日が休暇だったんです。タルタルソースがなくてね。また買ってきてあげるからって言ったんだけど…“と、しみじみ話しました。

そして、余命宣告されてから約1年9か月、精一杯生きた叶井さんについて“1年間は元気でしたよ。どんなに長くても1年後には死ぬと言われていたのに。意外と言う通りにはならないものだし、余命宣告されたからって、丸呑みして生きる必要もないと思います“と、同じ状況にある人々にエールを送りました。

倉田真由美さん


倉田さんは、“時間が薬と言いますけど、なかなか思ったようにいかなくて、悲しみってゆっくり軽減していくのかなと思ったけど、そういうものでもないなと初めて知りましたね“と、再び涙。“体中が変わってしまってるんですよね。失恋ソングとか夫のことを歌ってるように聞こえちゃうんですよね。だから音楽が聴けないんです。前は音楽聴きながら家事したりしてたのに。でも、(叶井さんは)最後まで後悔してなかったので、この(抗がん剤を使わない)選択を。これを少しでも多くの人に広めるのが私の使命だと思っています“と、話しました。

【担当:芸能情報ステーション】