◇《コメの仕入れ価格上昇で、人気の“巨大おにぎり”もやむなく値上げ》
札幌市北区の弁当店です。一番人気は、約3合のコメを使った『1キロおにぎり』。去年の夏は600円で販売していました。
しかし、海苔や卵などの食材に続き、比較的価格が安定していたコメも高騰したことで、去年9月と今年1月の2回にわたり、やむなく値上げしました。


まんぞく弁当 麻生店 湯浅孝臣 店長
「今回、コメがぐっと値段が上がったので、ちょっとここは、1回価格改定しないと…ということで、月10万ちょっとぐらい利益、今この価格帯で」
備蓄米の放出で、コメの価格が下がれば、少しでも以前の値段に近づけたいと話します。
まんぞく弁当 麻生店 湯浅孝臣 店長
「今、もう利益を削って営業しているのが現状なので、少し下がってもらえれば、なるべくリーズナブルに販売できるのかなと」
◇《去年の収穫前から注文殺到も…生産者が抱える不安》
影響はコメ農家にも及んでいます。
舟山農産 舟山賢治 代表
「注文数は、もう去年の収穫前から、凄く来ていた」
北海道上川地方の当麻町で農業を営む、舟山賢治さん。コメの直接販売もしていますが、去年秋、これまで取引のなかった東京の小学校から突然『給食用に販売してほしい』と注文がありました。
舟山農産 舟山賢治 代表
「契約していたのに、売ってもらえなくなったという学校給食関係者の人もいたので、ちょっとかわいそうだな…とか何とかしてあげたいなと」
コメの値上がりは、農家から見ても“異常”だと感じています。
舟山農産 舟山賢治 代表
「今の市場価格は、僕たちが売った米の価格とは、ちょっとかけ離れている感じがある」「消費者が離れてしまうとこの先、価格の維持もそうが、農家が続けられなくなることも考えられるので、消費者も十分な量を適正価格で買える状況が早く来ることを望んでいる」