甚大な被害を引き起こす、台風に伴う竜巻。それを予測する世界初の技術が発表されました。果たしてその実力は?

屋根の一部を吹き飛ばす突風。去年8月、宮崎県で発生した竜巻です。

台風10号では、竜巻などの突風が全国で10件以上発生し、甚大な被害をもたらしました。

こうした被害の軽減にむけて、きょう、世界初となる技術の発表がありました。

横浜国立大学 坪木和久 教授
「台風に伴う竜巻について数値を用いた予測というものができた」

例えば、台風10号のデータでシミュレーションした場合、赤い丸で囲まれた竜巻がいくつも発生し、実際に発生したエリアとも合致しました。

実は、国内の竜巻の2割は台風に伴うものですが、狭い範囲かつ短時間しか現れないため…

横浜国立大学 坪木和久 教授
「観測はほとんどできません。竜巻は非常に激しい災害をもたらすにもかかわらず、それぐらい小さなものだということです」

こうしたことから、「竜巻注意情報」の適中率は5%程度にとどまっていましたが、世界トップ級の計算能力を誇るスパコン「富岳」を活用することで詳細な計算が可能になったのです。

Nスタでもおなじみの気象予報士・広瀬さんは。

気象予報士 広瀬駿氏
「この技術を使えば、何時間先にこの市のこのエリアに住んでる人は“特に注意をしてくださいね”というふうに、ピンポイントで注意喚起をすることができると期待しています」

開発したグループは今後、AIも活用して竜巻が発生する時間と場所の予測の精度向上を目指すとしています。