時化の日は美容師に 師匠の髪もカット
この日はあいにくの時化(しけ)。
多くの漁師は休むか次の漁に備えた準備を行います。
一方、松尾さんはー。

RKB 西尾健佑記者
「時化などで漁に出られないとき、松尾さんの仕事場となるのが、こちらの建物です」
松尾栄作さん
「ほんま伸びるの早いですよね」
利用者
「そうですか?」

漁に出られない日限定で、美容室を開いています。
実は松尾さん、20年にわたって大阪で美容室を経営。
美容師としてもかなりの腕だったそうです。
利用者
「もう1年以上は通っています、毎月。それまでは、いつも船に乗って美容室に行っていたので(経済的に)高いし。すごくありがたい、新しい風が吹いて」

松尾栄作さん
「もともと大阪の方で美容室を何店舗か経営させてもらってたんですけど、そのときってあくまでも商売、いまは純粋に美容師として返せるもので。島の方への恩返しというのが一番のメインにさせてもらっている状態です。純粋に美容師が大好きだった頃の自分が、今ある状態です」
「漁師めし」の魅力
松尾さんが漁師の魅力として感じている一つが「漁師めし」です。
まだまだ不慣れですが、最近ではどんな魚も自分でさばけるようになりました。
捌いたサワラを師匠に見てもらうと。

師匠・三船良次さん
「しよううちに(やっているうちに)慣れるっちゃろうね、素人にしてはいいっちゃないと。『朱に交わればなんとか・・・』じゃないけどね、少しずつ覚えてきよる」

漁師見習い・松尾栄作さん
「難しいです、まだまだ、上手にできないです。笑われるくらい身が骨に残ります」

この日の「漁師めし」はサワラの刺身やしゃぶしゃぶなどです。
いい魚が釣れると地域の人と一緒に食事をすることも。
ふだんは師弟関係の2人ですが、漁が終わると家族のような関係だと話します。

師匠・三船良次さん
「たまにご飯食べようくさ、交代ごうたいしようと。いい流れでいきよるかなって思う」
漁師見習い・松尾栄作さん
「こういう仲間がいっぱい増えてほしいですよね」
師匠・三船良次さん
「移住者を大事にしたいっていう気持ちが強いけんさ。来てほしいんよね」
漁師見習い・松尾栄作さん
「師匠の髪も切っています、切らしていただいています」
師匠・三船良次さん
「床屋の腕はいいと思うとよ、漁師の腕は半人前やけど」













