軍港移設問題でオール沖縄の “弱点” 露呈も…
今井憲和記者解説
今回の浦添市長選は現職の相手候補が直前まで決まらない、超短期決戦でした。オール沖縄勢力の地元県議2人は、那覇軍港の浦添移設には反対の立場だったので、反対を明確に打ち出せる候補者を念頭においていました。
一方で玉城知事は軍港移設を容認しています。
野党市議団の中からは8年前の市長選に立候補した又吉健太郎さんの名前も挙がりましたが、又吉さんとしては、玉城知事が軍港移設を容認しているので「ねじれを解消してほしい」と県議に求めました。しかし折り合いがつかず、オール沖縄勢力から候補者が出せない状況が続き、支援者からは「ふがいない」といった声も聞かれました。

そうしたなか、選挙直前で里道さんが出馬を決意しました。会見では次のようにコメントしています。
▼里道昭美氏 「政党で(候補者を)出していくという流れが(過去の選挙では)あったので、政党の人たちがいつか出すと思っていたのですが、逆にいうと」「候補者を出すために(市民側が)頑張ってきたの?と言われているとも思う。争点で願いがあるといいながらも、ただそこに立って、スタンディングをやっていただけじゃないかと」「やっぱり市民側もちゃんと動きがあったかというのは凄く反省するところです」「行政を動かすのは議員だけではなく、市民だと思う」
今回の出馬は直前ではありましたが、市民が作り上げるひとつの選挙のあり方を示したと思います。
一方で松本市長は、3期12年の市政運営の信任を得た形となりました。大差での当選に関係者は、「相手候補が一つの争点をクローズアップしたことで、市長は市政全体を担わなければいけないという考えを広められた」と話しています。
浦添市では米軍キャンプ・キンザーの返還が予定される一方で、軍港は新たに建設されます。今後どういった街づくりをしていくのか、4期目の舵取りが注目されます。