大分県別府市で起きた大学生死亡ひき逃げ事件は発生から2年7か月が過ぎました。新しく着任した大分県警の幡野徹本部長は重要指名手配の八田與一容疑者について「許しがたい犯行で、県警の最重要課題の一つ」と語り、組織を挙げて全力で取り組むと強調しました。

【写真をみる】八田容疑者の顔写真や防カメ画像、ひき逃げ事件現場

6日、着任会見を開いた大分県警の幡野徹本部長は、未解決になっている大学生死亡ひき逃げ事件について「この事件は前途ある19歳の大学生が命を落とす、痛ましく許しがたい犯行です。県警としては多くの捜査員を投入し、県警察の最重要課題の一つとして、1日も早い被疑者の検挙、また事件の真相解明に向けて、組織を挙げてて取り組んでまいりたい」と解決に向けて強い意気込みを語りました。

大分県警・幡野徹本部長

一方、八田與一容疑者(28)に関しての情報提供について、県警によりますと1月末時点で8831件が寄せられ、1月だけで214件の情報が寄せられています。

このうち、「八田に似ている男を見た」など、重要指名手配されている八田與一容疑者に似た者の目撃情報は、8302件となっています。地域別では「関東」が3142件、次いで「九州」が1083件、「近畿」が1079件、「大分県内」が547件、「そのほかの地域」が1673件となっています。

また、インターネット上の動画や画像などに関する情報は778件です。

重要指名手配 八田與一容疑者(28)

県警交通指導課の山下基成次席は「八田容疑者は28歳で、身長が175センチくらいです。髪型を変えたり、ひげを伸ばしたりしているかもしれませんが、警察が手配している写真や動画の面影は必ずあると思います。検挙のために全国からの情報をお願いします」と引き続き、捜査への協力を呼びかけています。

大学生死亡ひき逃げ事件は2022年6月29日、別府市野口原の県道で起きたもので、赤信号で停車中のバイク2台に大分県日出町の会社員、八田與一容疑者が運転する軽乗用車が追突し、大学生の1人が死亡、1人がけがをしました。

2022年6月29日(大分・別府市)

八田容疑者は事故を通報せず、救護措置も取らずに現場から裸足で走って逃げて、およそ2キロ離れたヨットハーバーで足取りが途絶えました。事件の直前に、八田容疑者は亡くなった大学生とトラブルになっていたこともわかっています。

警察が作成した八田與一容疑者の似顔絵

警察庁は2023年9月、八田容疑者を道路交通法違反(ひき逃げ・公訴時効7年)で重要指名手配に指定。有力な情報提供者には公的懸賞金として300万円が支払われ、遺族による私的懸賞金500万円も含めると上限額は800万円となっています。

情報提供先:【大分県別府警察署】0977-21-2131