宮城県加美町の産業廃棄物処理会社「砂押プラリ」が、注射器などの感染性廃棄物を放置していた問題です。宮城県は、廃棄物を減らすよう命じる行政処分を下していましたが、期限の1月末までに全体の2割しか処分できていないことがわかりました。
石垣綾香記者:
「砂押プラリの会社の門は、開いた状態ですが、辺りは閑散としていて、人が出入りする様子は見受けられません」

宮城県加美町の産業廃棄物処理会社「砂押プラリ」です。敷地内には、黒いシートなどがかけられた感染性廃棄物とみられる袋が数多く残っていました。

2024年3月に撮影した映像には、敷地内に廃棄物と見られる袋で埋め尽くされています。

3日の映像と比較するとこの1年近くで、処理がほとんど進んでいないことがわかります。
砂押プラリは、注射器などの「感染性廃棄物」の処理を病院から請け負っていましたが、長年、敷地内に放置されていたことが、JNNの調査報道で明らかになっていました。県は、1月末を期限とし、廃棄物を10分の1未満まで減らすよう命じる行政処分を下していました。
県廃棄物対策課 酒井健二課長:
「命令した内容には程遠いのが現状だが少しずつでも減らしていくことを今指導している」

県によりますと、2024年2月に約4900立方メートル残っていた廃棄物は、1月23日時点で3900立方メートルと2割ほどしか処分が進んでいないということです。

県廃棄物対策課 酒井健二課長:
「ほかの産業廃棄物業者への委託については排出事業者さんが自主撤去されているという形で進んでいる。砂押プラリは、処理しなければならないということはわかっている。ただ、お金がないので今はできませんと言っている」
県は、今のところ刑事告発や更なる行政処分を下す予定はなく現場の監視と指導を続けていくということです。
砂押プラリは、産業廃棄物処分業の認可を取り消され現在、廃棄物の受け入れはしていません。
tbcの取材に対し「代表が不在で答えられないが、毎日、保健所の担当者が確認にきている」と説明しています。