前の市長の死去に伴い26日に実施された沖縄市長選挙。新人同士の一騎打ちとなった戦いは自公が押す候補が勝利を納めました。一方、玉城知事や知事を支える政党が支援した候補が敗れたことにより、知事の求心力低下は避けられず、「オール沖縄」の存在意義が問われています。
当選から一夜明けた27日午前、花城さんは市役所に初登庁し、多くの職員から歓迎を受けました。その後当選証書を受け取り、新市長としての決意を新たにしていました。

▼花城大輔新市長
「桑江前市長がいつも言っていた慈愛と謙虚の心を意識して参りたい」
当選確実の一報を落ち着いた表情で受け止めた花城さん。冷静に勝因を語りました。
「桑江市長の仕事を高く評価している人が多かったということ。そして桑江市長の政治姿勢、愛されるような人柄、それがこの結果に結びついたと思っています」
桑江前市長の急逝により急きょ実施が決まった沖縄市長選挙。選挙戦で花城さんは桑江前市長の後継候補であることを前面に押し出し、市政継承を訴えました。
__桑江前市長に伝えたいことは?
▼花城大輔新市長「まずは、沖縄市を守ることができましたと。そして、市長の描いていた沖縄市の姿はこんなもんじゃないと思ってますので、それをしっかりやらせていただきますということを報告したいと思います」
花城さんを支援した自民・公明としては、後に続く浦添市長選、うるま市長選、そして7月の参院選へ向け大きな弾みとなる結果となりました。
▼自民党県連・島袋大 会長「我々はあくまでもプラスアルファのバックアップとしての推薦、自民党としての動きですので、地元の皆さんの声をしっかりと聴いて対応していきたいなと思っています」
一方、これまで5期連続で県議選に当選してきた仲村さん。沖縄市区で何度もトップ当選を果たすなど知名度は高く、今回の市長選でも選挙戦を有利に展開すると見られていましたが、8400票あまりの大差をつけられての敗戦となりました。
▼仲村未央氏「とても手ごたえも含めて感じていただけに、非常に残念です。市政の継承を望む市民の期待があったのだと受け止めます。ただ、ぜひですね、私が訴えた優しさがしっかりとつながる、そして声が届く風通しの良い沖縄市、ということに対する期待があったことも含めて是非市政にいかしていただけたら」
今年、宮古島市長選挙に続き、自らが応援した候補が敗れた玉城知事。この後続く選挙への影響について次のように述べました。
▼玉城知事「私が選挙を仕切るわけではないのですが、宮古島市長選挙、それから今回の沖縄市長選挙、それぞれ選対本部の総括を受けて、今後どのような体制や連携を構築していくかということは、今後の選挙においても非常に重要なポイントになっていくだろうというように思います」
仲村さんはこれまでも沖縄市長選挙の度に候補者として名前があがるなど今回、満を持しての出馬となりましたが、その“切り札”でも勝つことができませんでした。
▼県政与党県議「正直ここまで差が開くとは思わなかった。市長選は事業や利権(の影響)が顕著に出るので難しい」「(今後の首長選は)オール沖縄というよりもどの候補が市長にふさわしいのか、そこを焦点に戦っていく」
宮古島市長選以降、県内11の市全てで玉城知事や「オール沖縄」とは距離を置く市長となったことで、知事の求心力低下は避けられそうもありません。続く選挙で「オール沖縄」は存在意義を示すことができるのか。正念場を迎えています。