安全装置の取り付けを義務化へ

静岡県で3歳の女の子がバスに置き去りにされ死亡した事件を受け、政府は安全装置の取り付けを義務化する方針を決定しました。こうした中、愛知県の会社が一足早く、安全装置の試験運用を行いました。


29日、東京都内の幼稚園を出発した1台のバス。このバスに子どもの置き去りを防ぐある装置が取り付けられました。

(加藤電機 加藤学社長)
「エンジンを切ります(警報音鳴り響く)」

その名も「車内置き去り防止システム」。開発したのは愛知県半田市に本社を置く加藤電機です。

10月7日からの実用・販売を前に、29日試験運用を行いました。開発の背景にあるのが、静岡県で園児がバスに置き去りにされ死亡した事件です。

(小倉將信こども政策担当大臣)
「あのような大変痛ましい事故をもう二度と起こしてはいけないという強い覚悟をしています」

政府は29日、全国の保育所や幼稚園、認定こども園などの通園用バスに置き去りを防ぐための安全装置の取り付けを義務化する方針を決定。さらに、安全管理マニュアルの早急な作成などを指示しました。

今回、試験運用で送迎バスに取り付けられた「車内置き去り防止システム」の特徴は2つです。

(記者)
「特別に許可をいただき運転席に座らせていただきました。エンジンを切ります。車内に音が鳴り響いています。運転席から離れた一番後ろの装置のスイッチを押すことで、音が鳴り止みました」



エンジンを切るとブザーが鳴り、バスの後部にあるスイッチを押せば鳴り止む仕組みになっていて、この移動の間に運転手が子どもを置き去りにしていないか、目視で確認して見落としを防ぐことができます。それでも万が一、置き去りにされてしまった場合は…。