あれから30年…「避けられた死」を減らすために

2004年に起きた新潟県中越地震。
車中泊をし、体を動かさないことで血栓が生じる「エコノミークラス症候群」で亡くなる人も出ました。

また、東日本大震災では3802人が関連死として認定。原因として「避難所等における生活の肉体的・精神的疲労」が最も多くなっています。
その後の熊本地震、能登半島地震でも「関連死」の数が「直接死」を上回り、この30年間で「災害関連死」と認定された人は少なくとも5456人に上ります。
こうした関連死の認定には遺族の申請が必要ですが、関連性の証明が難しい上に、制度を知らずに申請しない遺族も多いとみられます。
一方でこの30年、関連死の問題は徐々に知られるようになり、対策も少しずつ進んできました。

神戸協同病院 上田院長
「段ボールベッドとか、高齢者向けの簡易型のトイレ。対策は十分ではないけど、進んできた。災害関連死の認定では、だんだん認定範囲が広がった。今は東日本(大震災)でも、10年超えて認定される場合もある」

今後起こる可能性の高い南海トラフ地震を巡っては、7万6000人の関連死が出るという推計もあり、より一層の対策が必要とされます。
30年前、父親を関連死で亡くした妹尾さんは、当時総合病院の専門医でしたが、現在は開業医として能登などの被災地に入り「避けられた死」を減らすための医療活動に従事しています。

せのお医院 妹尾さん
「災害関連死は、いろんな面で災害弱者という人たちの問題。どういう風に見守って、悪化していかないようにしてあげるのか考えないといけない」














