1月12日、火星が地球に接近します。

【画像①】画像提供:国立天文台

【画像①】(画像提供:国立天文台)をみてみますと、円に近い地球の軌道に対して火星の軌道は楕円形で、地球の軌道と火星の軌道の距離が一定ではないことが分かります。

国立天文台は「会合周期がぴったり2年であれば、地球と火星は毎回同じ日に、同じ位置で最接近し、最接近の距離も変わりません。しかし、約2カ月の端数があるために、最接近の位置が毎回ずれていきます。そして、最接近の距離も毎回異なる」としています。

天文に詳しい岡山市中区の山陽学園大学の米田瑞生さんに教えてもらいましょう。

ー今回の接近は、どの程度のものなのでしょうか。

(山陽学園大学地域マネジメント学部 米田瑞生さん)
「それぞれの惑星は太陽を公転していますが、その軌道は厳密には円ではなく、楕円を描いています。地球はそれほどでもないのですが、火星の軌道ははっきりとした楕円です」

(米田さん)
「太陽に一番近いときの距離が、1.38天文単位(1天文単位は、地球と太陽の距離で、1億5千万km)、一番遠いときが、1.67天文単位、つまり太陽と火星の距離は2割以上変化します。火星と地球が接近するのは、太陽・地球・火星が一直線に並んだ時ですが、接近時の火星・地球の距離は、毎回異なることになります」

「大接近と小接近のときの、火星・地球の距離は、2倍以上異なるので、地球から見た火星の大きさも2倍以上異なります」

「1月12日にも太陽・地球・火星が一直線に並ぶ接近が発生しますが、火星はやや遠く、中接近か小接近といったところです。市販の望遠鏡で火星を見れば、『そこそこ見える』くらいでしょうか」

「火星の接近は2年ごとに発生しますが、大接近は15年以上の間隔で発生します。次回の火星の大接近は、2035年9月11日です」