2026年秋の完成に向け再建工事が進む首里城正殿で、天然の顔料「久志間切弁柄」を使った塗装作業が8日から始まりました。

首里城独特の赤色は平成の復元の際には原料の特定に至らず、市販の物が使用されましたが、その後の調査で本島北部地域の小川に生息するバクテリア由来であることが判明していました。

この顔料は琉球王朝時代の古文書で現在の名護市にあたる「久志間切り」での調達を命じる記述があるため「久志間切弁柄」と呼ばれ、今回は広く本島北部地域で採取された物に耐久性を高めるための原料も混ぜて塗料が完成しました。

▼漆職人 諸見由則さん「苦労した点はね、たくさんですよ。基本的に天然の物を使うのは最初はほぼ不可能と思っていた。はっきり言ってほっとしていますよ。これで当時の物に近づけるんだというのがあるから」

首里城正殿の外壁の塗装は今年5月頃に完了する予定です。