現在『秋の交通安全運動』が実施されていますが、そのスローガンは「自転車もルールを守るドライバー」ということで、今回は自転車の事故防止について考えます。

県警によると、県内ではおととしの1月以降に594件の自転車事故が起きていて、半数以上の328件が出合い頭の事故だったということです。
こうした事故が起きやすい状況について、県警察本部交通企画課の花城次席は次のように話しています。
県警本部 交通企画課 花城啓寿次席
「例えば、車が小さい道から大きな通りに出ようとする時に、その前を進行しようとする自転車と接触する事故があります。そういう類型の事故というのは、県内の多くの場所で発生しているんですけども、例えば国場交差点近くにそういった接触事故の危険がある場所があります」
頻発する出会い頭の事故の状況を、私たちで再現してみました。
車が小さい道から大通りに出る時、運転手はまず歩行者がいないか左右を確認します。この時、自転車はまだ遠くにいます。車の運転手は左折するために、右側を見て走行する車が途切れるのを待ちます。車が途切れたタイミングで運転手が左折しようとすると、遠くにいたはずの自転車が車の前を横切ろうとして、接触する場合があるということです。

県警本部 交通企画課 花城啓寿次席
「歩行者と違って自転車は進行速度が速いので、右手を見て車が途切れないかを見ている間に近づいてきてしまって、車の前を横切ろうとする自転車と接触する危険があります。事故を防ぐためには車の運転手が左右をしっかり確認して進行することが重要なんですが、自転車の方も交通ルールを守ることが重要になってくると思います」
警察庁によると、去年自転車事故で亡くなった人の8割近くが、何らかの交通ルール違反をしていたということです。今回の例では、本来左側の車道を通行することが原則である自転車が、右側の歩道を通行しています。
県警本部 交通企画課 花城啓寿次席
「自転車が歩道を通行できるのは、この標識がある場所だけで、その場合でも歩行者優先になりますので、歩道の車道寄りの場所を進行することになります」

また、交差点にさしかかった時には徐行や一時停止を行う必要がるほか、並走や、携帯電話の使用、傘差し運転など自転車の交通違反は多くあります。花城さんは、中でもヘルメットの着用が重要な課題だと話しています。
県警本部 交通企画課 花城啓寿次席
「安全のために子どもだけではなく大人を含めた全ての人がヘルメットを着用することが重要となっています」
今年の道路交通法改正により、今後、自転車に乗るすべての人の努力義務となるヘルメットの着用。警察庁の発表ではヘルメットを着用していない場合の致死率は、している場合と比べて2.2倍になるということです。

県警本部 交通企画課 花城啓寿次席
「自転車事故に関しては、頭部の損傷により重大な結果となることが指摘されているので、全ての人が命を守るためにヘルメットをかぶるという事が重要です。県内でも死亡事故を含む自転車事故が発生しています。事故を防ぐためにも、基本的なルールを守って、安全に自転車に乗っていただいて、事故防止を心がけていただければと思います」
県警によると県内で自転車事故を起こした人の、およそ85%がヘルメットを着用していなかったそうです。
「自転車もルールを守るドライバー」というスローガンの通り、ドライバーとしての自覚を持って交通ルールを守るよう心がけましょう。