今年さらなる活躍が期待される人たちにいい形で新年のスタートを切ってほしいとの願いを込めて、シリーズ・新春インタビュー「StartDash」をお送りします。
1回目はパリオリンピックに出場した競歩の高橋和生選手です。
(高橋和生選手)
「2024年は本当に激動の1年だったなと今思っていますね」
岩手県北上市出身で、現在は東京の不動産会社、ADワークスグループに所属する陸上・競歩の高橋和生選手28歳。激動と表現した去年の最も大きな出来事はやはり8月のパリオリンピックです。
(高橋和生選手)
「(レース前の選手がチームごとに紹介されるシーンありましたよね。あの時にポーズをしていたと思うんですが、あれはどういう風に決めたんですか?)
あれはですね、ぞろぞろと入場していったんですが、何やら前でやっているなと見えて。選手紹介があるのを知らなくて、前でテレビカメラに向かって各国の選手がいろいろパフォーマンスをやってるなと思って、そこで隣にいた柳井選手と何かやる?って話をして、ものの20秒くらいで決めてパフォーマンスをやった。
(直前まであの流れは知らなかったんですね?)
知らなかったですね」
初めてのオリンピックの舞台。男女混合競歩リレーで高橋和生選手と立命館大学の柳井綾音選手のペアは13位と入賞には届きませんでしたが、力強い歩きで多くの人に感動を与えてくれました。
(高橋和生選手)
「個人で見ると2本目の10キロは区間7位でしたので、世界の舞台でも大きく崩れることなく、最後区間1ケタで歩き切れたことは自信になった」
そのオリンピックという大舞台に立つまでには並々ならぬ努力がありました。
本番のおよそ2か月前には、ペアを組んだ柳井選手らとともに長野県での合宿に臨み、歩きを磨きました。
(高橋和生選手)
「自分よりもレベルの高い選手の歩きを見られるのも、本当に勉強になるので、大きな試合の前は他の選手の力も借りて、調子をあげていくというところ。競歩界ではいろんな所属の選手が合同で(合宿を)やることが多いが、他の短距離や長距離の選手から見るとびっくりするようで、完全に他の選手の調子も見えますし、そこは競歩の特徴ですし、仲の良さというところもある」
そして今、さらなるレベルアップに向けて取り組んでいるのがフォームの改造です。
(高橋和生選手)
「ついて、こっちの足が、ちょっと高く持ってきてしまうと、浮いているように見えやすくなってしまうので、後ろ足を低く、低く、するように持ってくる、どうしてもペースが速くなってくると走りの動作に近くなってしまうので、とにかく低く。低く持ってくる。警告を1枚でも受けると、けっこう心理的にもダメージを受けますし、フォームをより意識して、なかなかペースを上げられなくなってしまうので、少しでも歩きに集中できるように、フォームの精度を高めるということは、今一番重要視しています」
一方、オリンピック後、高橋選手は、県内でのさまざまなイベントにゲストで呼ばれることが増えました。
(高橋和生選手)
「自分の知らないところで応援してくださっている方が本当に大勢いて、そういった方に、そうした形で少しでも恩返ししていきたいなという風に思うし、自分の言葉でも直接会ってお礼がしたいなと思うので、できる限り地元岩手のイベントなどに呼んでもらえる際は積極的に参加していきたい」
多くの応援を力に、次のステージへと進む高橋選手。
最後に今年の目標を書いてもらいました。
(高橋和生選手)
「東京世界陸上で入賞。オリンピックで達成できなかった入賞。次こそは達成したいなと思います。20キロと35キロの種目が開催されるので、どちらで狙っていくかは決めかねているが、しっかり代表を目指して、次こそ8位以内入賞というのを目指していきたいと思います」