27日は安倍晋三元総理の国葬が執り行われました。富山県民からは「追悼するのは当たり前」との声があがる一方、富山駅前では国葬反対のスタンディングが行われるなど、世論が分断されたままの国葬実施となりました。
午前9時、富山県庁の屋上では、国旗と県旗をさおの先から3分の1ほど下げ「半旗」が掲揚されました。
県による半旗の掲揚は、おととし10月に執り行われた中曽根康弘元総理の内閣と自民党の合同葬や、ことし7月の安倍元総理の家族葬でも行われています。
半旗を見に県庁を訪れた人もいました。
男性:
「日本人として日本を支えて頑張ってくれた総理大臣を自然な気持ちで追悼するのは当たり前のことだと思います」
男性:
「途中やめても通算8年8か月やられたわけでしょ。それだけ一生懸命やられた人だから。それは筋道を通して国会で審議してやれば、なおよかったなと思います」
記者:
「こちら氷見市でも弔意をあらわす半旗が掲げられています」
政府は、地方自治体や教育委員会に弔意表明への協力を求めないとしたため、半旗掲揚などはそれぞれの自治体の判断で、県のほか県内15市町村では、氷見市と南砺市が庁舎に半旗を掲げました。
氷見市財務課 福嶋勝主査:
「氷見市も地方公共団体として弔意を示す考えの中で揚げさせていただいております」
氷見市民:
「安倍さんがいままでやってこられたことに対する(半旗)だと思うのが良いんじゃないですか」
氷見市民:
「本当は大きいお金を使ってどうかなと思うけど、人情的に言うとただ静かにお参りしてあげたほうがいいかな」
一方、県も市町村も、職員や住民に黙祷を求めることはしませんでした。
記者:
「安倍元総理の国葬がまもなく始まりますが、富山駅前では国葬の反対行動が行われています」
拡声器の声:
「市民の願いは国葬中止。みんなの声でやめさよう」
富山駅前では、国葬開始前までの30分間、県平和運動センターなど4つの団体でつくる実行委員会が国葬反対のスタンディング行動を実施。およそ120人が参加しました。
国葬をめぐっては、法的根拠のあいまいさや試算16億円を超える巨額の費用など様々な問題が指摘されていて、世論も割れています。
反対スタンディングの参加者:
「岸田政権が無理やり決めて国会でも支持されていませんし、安倍さんのやったことには大変問題が多々ありますので、ぜひ意思表示をしたいと」
反対スタンディングの参加者:
「亡くなられたんだからお弔いはしたいですよ。個人としてはお弔いはしたいです。でもやられたことは何もやってないじゃないですか。長いこと日本の政治を停滞させた人は安倍さんです」
午後2時直前、喪主の昭恵さんに抱えられて、安倍元総理の遺骨が日本武道館に到着しました。総理経験者の国葬は、1967年の吉田茂氏以来で戦後2人目です。
国内外からのおよそ4300人の参列者が安倍元総理に黙祷を捧げました。
岸田総理:
「安倍さん、安倍総理、お疲れさまでした。そして本当にありがとうございました。どうか安らかにおやすみください」
友人代表の菅(すが)前総理などが追悼の辞を述べて、戦後最長の8年8か月在任した安倍元総理の功績や人柄を讃えました。
富山県内からは、新田知事のほか、県市長会の会長として夏野修・砺波市長が、町村会長として舟橋貴之・立山町長が参列。
県選出の国会議員では、自民の5人と維新の2人のすべての議員が参列しました。
国葬が執り行われていた頃、富山市の中心市街地では、国葬の映像がモニターに映し出されると、足を止める人の姿がありました。
女性:
「16億円使うんやったら、もうちょっと困っている人たちに使ったらいいのになって。自民党の神格化をしようとしているとしか思えない」
女性:
「いいところもあるけど今までの問題のこととか考えると、手放しで国葬に賛成という感じでは思えない。興味がないわけではないけど実際に見て『今日やっているの』っていう感じで二人できょとんとしながら見ていた」
男性:
「ここから行けるもんじゃないし、そういう意味では全然興味ない。ここで国葬やっているのなら来ていたかもしれないけど」
女性:
「大反対。いままで問題あったでしょ。それなのに、ちょっと首かしげる」
女性:
「いま、家で録画しているんですけど。その宗教団体は、兄も入っていたし、昔の統一教会に。高岡の。政治家が宗教とつながるというのはいかがなものかと思ったりして複雑です」
賛否が割れたまま実施された国葬。岸田総理は、今後、国葬について検証を行うとしています。
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