「なぜ娘が…」悔やみきれないあの日。
あの夜、波多野さんは、交差点で青信号に変わったのを確認して、娘の耀子さんと横断歩道をわたっていました。すると、突然、左側から赤信号を無視して猛スピードで走ってきたワゴン車が突っ込んできました。それ以降の記憶はありません。

事故から2日、意識を取り戻したのは病院のICUのベッドの上でした。そこで、娘の耀子さんが、亡くなったことを知らされました。
波多野さん「耀子はどうなったのか妻にと聞くと、妻は黙って首を横に振るだけ。 病室に来ていた父から「耀ちゃんはダメだったよ」と聞きました」

重傷を負って、娘の耀子さんの通夜に出ることができなかった波多野さん。葬儀には車いすで参加しました。
波多野さん「全く受け入れられない光景でした。ただ1人の娘が死んで、冷たくなって、自分は生きているのに、なぜ娘が…。今でも花に覆われた棺から見えた顔を忘れることができません。」
娘の耀子さんと波多野さんをはねた運転手は、信号無視を認め、『過失運転致傷』の疑いで現行犯逮捕されました。しかし、波多野さんは納得できませんでした。

波多野さん「信号無視をして横断歩道に進入しているのに、なんで「過失」なのか「故意」ではないのかと怒りを覚えました。絶対に許せない」