震災の津波で災害危険区域とされた宮城県石巻市長面地区の元住民らが25日、地区伝統の秋祭りを開き神楽を奉納しました。新型コロナの影響で観客を入れて秋祭りが開かれたのは実に3年ぶりです。

石巻市長面地区の秋祭りは25日、多くの元住民が移転した二子地区の集会所で開かれました。


この祭りは秋の収穫を祝い、長面地区の神社に神楽を奉納するものです。

新型コロナの感染拡大のため今年は3年ぶりに観客を入れての開催となり、多くの見物客が訪れました。

見物客:
「皆が集まる機会があってとても良かった」
「毎年やってもらえば楽しみなんですけど」


震災の津波により長面地区は当時の住民519人のうち82人が犠牲となり、災害危険区域とされました。


そんな中でも、2011年には移転先の仮設住宅に舞台を設け、神楽を舞うなど伝統の灯を絶やさず祭りは続けられてきました。

夜を迎え神楽の盛り上がりも最高潮を迎えます。


仙台市など他の地域に移り住んだ元住民らも顔を出しました。


仙台市から来た元住民:
「地元に帰ってきて地元の方々と会えるのは良い。震災前のつながりが長く続いてくれればいい」
「何年振りかにあった人もいる。懐かしいし、元気で生きてるんだなと思ってうれしい」


3年ぶりの秋祭りは、長面地区の元住民らにとって、震災前の暮らしやつながりを思い出す夜になりました。