残った住民に再び…

11月に行われた菊地正寛市長と姿地区の住民たちによる意見交換会。
地域住民
「知った人の顔を見て話すことが元気の一つになるんじゃないかな。1人でも姿(地区)に戻っていただけたり、色んな人が姿に来ていただけたりして地域が元気になればという風に思っています」
地区を離れた住民が姿地区で家を新築する際の費用補助を求める声や小人数の家族が住める市営住宅の建設を求める声が挙がりました。
菊地正寛 市長
「姿地区に戻りたいと思っておられる方も関わりをずっと持っていたいという方が多いということも分かりました。コミュニティを維持していけるような応援を市としてもしていけたらなと思ってます」
そんな中、11月26日に石川県西方沖で起きた地震が発生し、震度4の揺れが姿地区を襲いました。
一緒に暮らす孫のため、姿地区に残っていた花木尚子さんの自宅では――
花木尚子さん
「孫と2人で布団被って。何かすごく長く感じた揺れを」
元日の地震のあとに修理した玄関の床は今回の地震で再びヒビが入りました。
●花木尚子さん
「1月1日の地震後にコンクリートで全部埋めた。今回の地震で床が開いてきている。もう不安よりもあきらめ、何とかなるだろうって感じ。」
元日のあとも続く余震、新たな地震が姿地区に残ることを決めた住民、戻ることを検討している人たちに暗い影を落としています。
花木尚子さん
「ばたばたした年だった、あっという間の1年。口では『大丈夫、あきらめた』と言ってるけど内心は分からない。それを抱えながらの生活じゃないかな。くよくよしてもどうにもならないし、それよりも前向きに生きていく」
桑原桂子さん
「弱ったもんや。寂しいわいね。みんなおらんようになったら」
能登半島地震からまもなく1年、見慣れた景色、その一部であった多くの住民たちの姿ももう、そこにはありません。過疎化が加速し集落の存続も危機へと陥っていく。能登半島地震から見えてきた日本の過疎集落の現実です。