様々な理由で学校に行かない子どもたちの学びの場となっている “フリースクール” 。子どもが中学生のころにフリースクールを利用していたという母親は、我が子が在籍した中学校から受け取った1年生当時の通知表を見て驚いた。ずらりと並ぶ「C」の評価。「オール1」だった。
フリースクールに通っていた子どもの母親
「衝撃が大きかったです。『1がついたということはとても大きく響く』と先生には言われました。それが足を引っ張って、進学したい学校が狭められる状況でした」
フリースクールなどを利用する子どもの成績評価は、通っているスクールではなく、在籍する学校の校長が権限を持つ。
しかし、フリースクールでの学びを在籍校の成績にどう反映させるか、対応は学校によってまちまちだ。フリースクールでの学習状況を見ないままに低い評価をつけられ、進学に影響することも少なくない。
「フリースクールに通った人のわがまま、みたいに受け取られている。なかなかその姿勢を崩していただくっていうのは難しかったですね」

子どもに合った学びを選んだことが、進路に大きく響く結果に。フリースクールに通う子どもや保護者、運営者は、様々な課題を抱えている。
沖縄市の一番街にある「こてらす」を取材した。
9人の小学生が通う(2024年12月時点)このフリースクールでは、社会とのかかわりや体験を通して、子ども一人ひとりに合った教育の実践を掲げる。代表の翁長有希さんは「オール1」を突き付けられた生徒のケースについてこう話す。
琉究学舎こてらす・翁長有希 代表
「現状、フリースクールって何なのか、ということをきちんと理解していらっしゃる先生方はあまりいないんじゃないか。なんか “子どもたちが不登校になって、どこか居場所を見つけたんだな” ぐらいの感じで」

翁長さん自身、去年4月にフリースクールを開校した際、あることに戸惑った。