中山間地域での高齢化や人口減少が進む中、鳥獣害対策は大きな負担となっています。こうした中、ドローンや情報通信といった先端技術を使った効率的な対策をしようと、岡山県高梁市で研修会が開かれました。
高梁市西部の山間にある備中町平川地区に犬の吠える音が響き渡ります。音を出していたのはドローン。イノシシなどを追い払うもので花火で威嚇する装置もついています。

情報通信機器などを使って、さまざまな作業の効率化を図る先端技術を鳥獣害対策に活用しようと、備北広域農業普及センターが開催した研修会です。
会場では、イノシシなどが捕獲されるとセンサーが感知し、スマホに情報を伝える檻も紹介されました。
実は、この鳥獣害対策の技術は、スマート農業で培われたものです。農薬散布や種まきなどに使われているのが、ドローンです。こちらは、センサーで田んぼの水位の変化を検知して水門を自動で開閉させる技術、これが動物の捕獲を知らせる檻に活用されました。この地区では、定期的に檻の見回りをしていて、これを導入すると作業が軽減されますが、地元の人の意見はさまざまです。

(地元の人)
「機械を使った対策はしていませんけれども、値段的なことが(問題として)あります」
「新しい技術なので取り入れていきたいなとは思っています」
高齢化や後継者不足が進む農家の助けとなるスマート農業の技術。鳥獣害対策でも有効となれば、さらなる負担の軽減につながります。
(備北広域農業普及指導センター 重田竜希さん)
「鳥獣被害対策が行き届いていない、できていないのが実情となっています。大きく期待されるのは省力化の対策ができるのではないかと考えています」
備北広域農業普及センターは引き続き、先進的な情報を紹介するとともに、普及に取り組んでいきたいとしています。