ドイツの首相を16年務めたメルケル氏が綴った「政治回顧録」が出版されました。当時のアメリカ・トランプ大統領について「ロシアの大統領に魅了されていた」などとエピソードや舞台裏が語られています。
2021年まで16年間、首相を務めたメルケル氏は26日、各国首脳とのエピソードや舞台裏などを綴った「政治回顧録・自由」をドイツ国内で出版しました。
2017年に当時のトランプ大統領との初会談では、「報道陣の前で握手を求めたが、彼は無視した。安倍総理を迎えた時には19秒間も握手していたのに」と振り返り、「とりわけプーチン大統領について聞かれた。彼は明らかにロシア大統領に魅了されていた」とも綴られています。
プーチン大統領については、メルケル氏が苦手な犬を会談に連れてきたと回想し、「私はプーチン大統領の表情から、喜びを感じ取ったような気がした。彼はだた苦しんでいる人がどのように反応するのかを見たかったのか。小さな力の誇示だったのか」などと記されています。
また、人柄についても「常に人を警戒し不当な扱いを恐れ、人を待たせたりするなど、常に攻撃的な人だ。私はそれを幼稚で非難すべきものだと思ったが、だからと言ってロシアを無視するわけにはいかない」などと心情も綴られています。
出版イベントに参加したメルケル氏は…
ドイツ メルケル前首相
「(首相時代は)多くのことについて、自分の思うことを話すことができず、いつも尋ねられていました。プーチン氏を過小評価するのは間違いです。しかし、私たち、NATO加盟国とウクライナを過小評価するのも間違いです。私たちは大きな力を持っていますが、それには限りがあります。(来年)1月にトランプ氏が大統領に就任する状況の中で、ウクライナを支援するヨーロッパ各国が、何が可能か、どこまでは受け入れられ、どこからは受け入れられないか、考えを共有しておくことがとても大切になります」
回顧録には、ロシアとウクライナをめぐる緊迫した舞台裏も綴られています。
メルケル氏の「政治回顧録」は、30か国以上で順次、出版されることになっていて、日本では来年5月に発売される予定です。
注目の記事
“あと1個”や“残り1分”「ダークパターン」の可能性、“ひっかけ型”で定期購入も【Nスタ解説】

【最新】事故から2週間...下校中はねられた女子中学生は未だ意識不明 ドライバーは "停車した車" を追い越し若い命が危険に...「危険運転」とは何か 事故の状況からわかるその恐ろしさとは(山形・酒田市)

「胸がなくても大丈夫」乳がん公表の梅宮アンナさん…闘病から電撃結婚までを語る 家族への願い「変わりなく接してほしい」

【初密着】110番通報を受ける『大阪府警・通信指令室』 約2割は"迷惑通報"など緊急性なし「何千回も同じ内容でかけてくる」 それでも府民の命を救うため「どんな声にも耳を傾ける」

「謎の光る帯」上空で目撃 明け方に揺れるその正体は…専門家に聞いてみると 鹿児島・姶良市

今シーズン「ノロノロ台風&迷走台風」多発か さらに勢力は去年より増す可能性も 海水温の上昇だけでなく“偏西風”にも理由があった 備えるため「予報円」正しい理解を tbc気象台
