国の重要文化財「旧弘前偕行社」。旧陸軍の社交場だった建物は、学校法人の校舎などを経て、青森県弘前市が公有化を進めていました。12月からの一般公開を前に歴史的な建物の内覧会が開かれました。
1907年・明治40年に建てられた国の重要文化財「旧弘前偕行社」。弘前市出身で洋風建築を多く手掛けた大工の棟梁・堀江佐吉が最後に関わった建物です。
旧陸軍第八師団の将校らの福利厚生や、社交の場として使用されていた建物は、ルネサンス風を基調とした洗練されたデザインが特徴です。
前の所有者である学校法人弘前厚生学院が解散したことで11月、市が建物を譲り受け土地を取得しました。
建物内は外国製タイルを張り付けた暖炉や天井の中心飾りなど、ほとんど当時のままで残されています。
また、客室にある美しい曲線のシャンデリアのランプシェードは、現在の職人では制作できないとされています。
弘前市文化財課 小石川透 課長補佐
「弘前は建物の多い街です。非常に古い建物が多いですが、その中でも明治の洋風建築を代表する建物の一つとして非常にデザインも優れていますし、何よりたたずまいが豪華です。こういった建物をたくさんの人に見てもらって使っていただければ」
旧弘前偕行社は12月1日から一般公開され、建物や部屋などの貸し出しも可能になっています。