63年前の惨状が迫る“カラー映像”
今回の台風14号は、18日午後に鹿児島市付近に上陸時した時の勢力は、935ヘクトパスカル。これは63年前に東海地方を襲った「伊勢湾台風」クラスの勢力でした。
CBCテレビと筑波大学が最先端のAI技術によって、伊勢湾台風の白黒のフィルムをカラー化した映像です。当時の惨状がカラー化したことで、より迫ってきます。
今からおよそ63年前の1959年9月26日。名古屋市南部を中心に5098人が犠牲になった決して忘れてはならない台風災害。
この日、名古屋市内の最大瞬間風速は45.7メートル。風でちぎれんばかりのソテツの葉。名古屋市中区のCBCテレビ前の映像です。
高潮で堤防は決壊。実に3万ヘクタールという途方もない範囲が、水に浸かりました。
名古屋港の貯木場から流れ出した材木が、南部の住宅をことごとく破壊。台風が去っても、復旧まで多くの時間が費やされました。
気象庁の17日の会見で、気象庁大気海洋部の黒良龍太課長は。
「衛星画像を見て『これはかなりやばいな』と。これまで私が気象庁で働いてきて、見たことがない」
そして台風14号は18日午後7時頃、鹿児島市付近に上陸。このときの平均気圧は935ヘクトパスカルで、「伊勢湾台風」の929ヘクトパスカルに匹敵する勢力でした。
60年以上が経過して、伊勢湾台風の経験者も減り、記憶も薄れつつありますが、あの時の教訓を忘れてはなりません。
こうした中、名古屋大学の坪木和久教授らの研究チームは、9月16日と17日の2日間に県営名古屋空港を飛び立ち、迫り来る台風14号に航空機で接近、“目”の中に突入しました。