2022年3月、浜松市の住宅で家族3人が殺害された事件の裁判員裁判で11月22日、精神鑑定を行った医師の証人尋問が開かれました。別人格「ボウイ」の評価について、検察・弁護側双方の鑑定人の意見が真っ向から対立しました。

無職の男(25)は2022年3月、浜松市中央区佐鳴台の自宅で祖父母と兄の3人をハンマーで殴るなどして、殺害した罪に問われています。

22日は、被告の精神状態を鑑定した2人の医師による証人尋問が開かれ、検察側の鑑定医は、かつて家族から受けた虐待への怒りが被告の動機になっていると推察しました。

これまでの裁判で、被告は犯行を別人格「ボウイ」によるものと主張していますが、検察側の鑑定医は「ボウイ」も被告人本人であり、あくまで本人の思考に基づいて行動しているものと説明しました。

一方、弁護側の鑑定医は、被告が殺害に及ぶほどの強い恨みを持っていたとは、考えられないと指摘。犯行時の様子は、主人格の性格とは明らかに違う残忍性が認められるため、犯行は人格が交代した「ボウイ」が行ったと考えるのが整合的と評価、主人格は「ボウイ」を制御・コントロールできなかったと評価しました。