エリザベス女王の国葬に参列するため、イギリスを訪問中の天皇皇后両陛下。


日本時間の19日午後7時から行われる国葬にそろって出席される予定です。

■異例の天皇陛下の参列 その背景は 

皇室の慣例として、天皇が外国の王室の葬儀に参列するのは異例のこと。
政府は、両陛下が参列されることになった背景を、イギリス王室と皇室の関係の深さや、天皇陛下の意向もふまえ検討し、「親しい関係にあり、両陛下に参列をお願いすることになった」と説明しました。

■2年間の英国留学「人生で最も充実した時間」

昭和、平成、令和の3代にわたる交流がある、イギリス王室と皇室。特に1983年から2年間イギリスのオックスフォード大学に留学されていた天皇陛下は、その時のことを「人生で最も充実した時間だった」と振り返られています。

イギリス留学中の天皇陛下


当時、エリザベス女王にバッキンガム宮殿に招かれ、女王自ら淹れた「ティー」でもてなしを受けられたことも。また、スコットランドのバルモラル城に数日間滞在し、王室メンバーとピクニックランチやバーベキューをしたほか、女王が運転する車の助手席に陛下が乗られたこともあったといいます。

■“家族のように過ごした”女王 天皇即位後の訪問は叶わず

側近によりますと、女王の訃報をうけ、陛下は、まだ皇太子になるよりも前のこうしたエリザベス女王との思い出を「家族の一員のように過ごしたことを鮮明に覚えている」と大変懐かしみながら紹介されたということです。

皇太子となられた2001年にもウィンザー城で、エリザベス女王と会われるなどして交流を深められてきました。


そして、天皇即位後は、エリザベス女王からの招待を受けて即位後初めての外国訪問として、イギリスを親善訪問される方向で調整が進められていましたが、コロナの影響で延期となっていました。

■英国留学時代のエッセイには「このまま時間が止まってくれたら」

天皇陛下が、オックスフォード留学時代の生活や研究内容をつづられたエッセイ「テムズとともに」にはこんな記載が。

『再びオックスフォードを訪れるときは、今のように自由な一学生としてこの町を見て回ることはできないであろう。おそらく町そのものは今後も変わらないが、変わるのは自分の立場であろうなどと考えると、妙な焦燥感に襲われ、いっそこのまま時間が止まってくれたらなどと思ってしまう』(「テムズとともに」より引用)。


当時の懐かしい思い出を胸に、天皇としてエリザベス女王に、きょう、最後の別れを告げられることになります。