あの名物が復活です。宮崎のご当地パン、「ジャリパン」発祥の店として長年、親しまれ、去年、閉店した宮崎市の老舗パン屋、「ミカエル堂」が事業承継を経て、きょう、オープンの日を迎えました。

宮崎市中央卸売市場のカンカン通り商店街にできた長~い行列。


お目当ては、14日オープンしたミカエル堂の「ジャリパン」です。

(客)「門川の方です、大阪の娘に送ってやろうかなと思って」

コッペパンにグラニュー糖などをはさみ、その食感から名前がつけられた「ジャリパン」。

発祥は1926年に創業したパン製造販売店の「ミカエル堂」で、今では、宮崎を代表する名物となりましたが去年3月、設備の老朽化や材料費の高騰などを理由に惜しまれながらその歴史に幕を閉じました。

そこから1年半余り…。「ミカエル堂」は新しい場所で再出発の日を迎えました。

復活を望む声に後押しされたミカエル堂、3代目の都成五男さん。事業承継を仲介するサイトを通じて東京で広告関係の仕事をしていた宮崎市出身の大津伸詠さんと出会いミカエル堂の屋号とレシピを引き継ぐことを決めました。



(大津伸詠さん)「高校時代の購買部で買っていたミカエル堂のパンっていうところが一番思い入れが私も強いかなと思っています。なにか宮崎とかかわりのある事業をやっていきたいなという風に考えが変わっていく中で選択肢として事業承継もあるんじゃないかと。昔の味であり、今食べてもおいしいと思っていただけるようなジャリパンを提供できればと思っている」

(ミカエル堂3代目 都成五男さん)「宮崎の味であるじゃりパンをなんとか引き継いでいってもらいたい。その気持ちでいっぱい」

前日のセレモニーでは都成さんと大津さんが一緒に作ったジャリパンを試食。

そのお味は…。

(いかがですか?)(ミカエル堂3代目 都成五男さん)「うま、懐かしい味です、こんな味やったな」

そして、オープン日の14日。



店には懐かしの味を求めて続々とお客さんがやってきました。

(買い物客に声をかける大津さん)「ちょっと予想以上にお客様いらっしゃってちょうど焼きあがったところで、ご用意できるのが11時なんですね、今10時半ですね、あと30分ぐらいあるんですよ」

(買い物客)「中学の時によく食べていたので休み時間のちょっとしたご褒美のような物でした。今日は仕事が休みだったのでせっかくなら並ぼうかと思いまして」

開店から列は途切れることなく、用意した750本のジャリパンは完売。



大津さんも気持ちを新たにスタートを切れたようです。

(ミカエル堂を受け継いだ大津伸詠さん)「今来ていただいてますけども長くお客様がきたいと思っていただけるお店にできたらと思っています」

復活したミカエル堂の「ジャリパン」

これからも宮崎の名物として多くの人たちに愛され続けます。

まずは一日1200本の生産が目標で将来はスーパーなどでの販売も検討しているということです。開店は午前10時からですがなくなり次第、終了ということです。