宮城県が主導する仙台医療圏の4病院再編構想で新たな動きです。まずは改めて県の構想を振り返ります。当初の構想では、仙台市青葉区の東北労災病院と名取市の県立精神医療センターを併設して富谷市に、仙台市太白区の仙台赤十字病院と名取市の県立がんセンターを統合して名取市に移転させそれぞれ新しい病院を建設するというものでした。

構想通り進めば仙台市内から2つの病院が無くなります。
この構想を巡り13日夜、県の審議会が開かれ精神医療センターについて富谷市ではなく「名取市内での建て替えが妥当」と全会一致で決議しました。

県の精神保健福祉審議会では、名取市にある県立精神医療センターの建て替えについて話し合われました。県は、東北労災病院と併設して富谷市へ移転させたい考えですが、患者や医療関係者、さらに審議会の委員からも反対の声が相次いでました。こうした中、県は初めて富谷ではなく、名取市内で建て替える案についても委員に提示しました。
一方で、名取で建て替えた場合、身体合併症への対応などに課題を残すとして意見を求めました。
岡崎伸郎委員:
「新労災病院が富谷市にどういう形で移転するかいつできるかは別に置いて、名取市の新精神医療センターが早く実現するのであればどんどんやっていただくことがありではないか」

その後、出席した17人の委員は全会一致で、富谷ではなく「名取市内での建て替えが妥当」と決議しました。
県保健福祉部 志賀慎治部長:
「全会一致での決議がなされたことは、県としても重く受け止め今後の検討に加えてやっていかなければならない」

県保健福祉部の志賀慎治部長はこのように述べ、名取市内での建て替えについても検討していく考えを示しました。
村井知事は審議会の決議を受け、「名取市内で建て替えすべきとの全会一致の決議を重く受け止めている。市内での建て替えについては委員から土地の確保や精神科救急の受け入れへの課題について意見があり、引き続き、検討を進めたい」とコメントしています。
県は富谷市に移転させるとしていたこの精神医療センターについて、名取市内で建て替える案を選択肢の一つに加え、審議会も名取で建て替えるべきと決議しました。ただ、決定したわけではありません。県は、名取で建て替えた場合でも、富谷市内に精神医療の病棟や機能を設けるとしていて先行きは未だ不透明です。