平成30年(2018)3月、天草市河浦町の今富地区を上空から撮影しました。当時ニュースはこう伝えています。

「天草市河浦町(かわうらまち)。羊角湾(ようかくわん)の入り江から山の奥へと広がる今富(いまとみ)地区。

隣接する﨑津(さきつ)地区と同じく、キリスト教の禁教令が出された江戸時代、信者たちが「潜伏キリシタン」として信仰を守り続けた地域です。

段々畑の小高い丘にひっそりと建つ大山大神宮(おおやまだいじんぐう)。

祀られているのは天照大御神ですがその手にはロザリオらしきものがあります。禁教時代、信者たちは聖母マリア像に見たて、祈りを捧げていたと言われています。

信仰の名残りが今も残る西河内(にしかわち)集落。正月の間、天草に伝わる風習「幸木(さわぎ)」とともに飾り付けられるのが「臼飾り(うすかざり)」です。

逆さにした臼の下にキリストへ供えるためのお膳を隠し入れ、上には杵(きね)を十字架に見立てて並べます。春を前に、干拓地に広がる田んぼでは田植えの準備が始まっています。こののどかな農村にも祈りの歴史がありました。」