2022年の「イグ・ノーベル賞」が発表され、千葉工業大学の松崎元教授らの研究グループが「つまみを回すときの効率的な指の使い方」をテーマに受賞しました。日本人の受賞はなんと16年連続。一体どんな賞で、どんな研究結果だったのでしょうか?詳しく解説します。

■「人を笑わせ、考えさせる研究」イグノーベル賞とは?

ホラン千秋キャスター:
番組で毎年お伝えしている「イグノーベル賞」ですが、そもそも何だろうと思われた方もいると思います。


イグノーベル賞は「Ig Nobel」と書きます。ノーベル賞の「Nobel」に否定を表す接頭語の「Ig」がついていますので、「裏ノーベル賞」とも呼ばれていますし「ノーベル賞ではない」とも読むことができます。さらに「ノーベル」という音は、英語で「イグノーブル」という単語があるんですが、それは「不名誉な」や「品がない」などという意味があるそうです。ですので「ノーベル賞」とイグノーブル「不名誉な」という意味などがかかっているユニークな名前です。

アメリカの科学雑誌が「人を笑わせ、そして考えさせる研究」を表彰するとして始めたものなんです。ノーベル賞のパロディーでもあるわけです。

1991年、マーク・エイブラハムズ氏によって“世の中に知られていない面白い研究を広めたい”と創設されました。

■なんと16年連続!2022年も日本人が受賞

このイグノーベル賞は大変、日本人研究者の皆さんと相性がいいということで、16年連続で日本人が受賞しているんです。



2022年、受賞となったのは千葉工業大学の松崎元教授です。どんな研究かというと「工学賞」に輝いた研究で「円柱形のつまみの回転操作における指の使用状況について」の研究だということです。

この受賞理由について、イグノーベル賞の創設者のマーク・エイブラハムズ氏は「人間がつまみを回す際、最も効率的な指の使い方を発見した」と説明しています。皆さん、特に意識してないかもしれないんですけれども、これをしっかりと研究で発見したことが受賞理由だということです。



そして、松崎教授は「研究者としてはイグノーベル賞の成り立ちなどから複雑な気持ちでしたが、着眼点を評価された」としています。また、ご本人は日用品などをデザインされているということで「『デザイナー』としては大変嬉しく思います」と話しています。