約1万6千人のランナーが秋の岡山路を駆け抜ける「おかやまマラソン」まであとわずかとなりました。フルマラソンに出場する視覚に障害がある78歳の女性ランナーがいます。目標は完走。達成したい理由があります。

完走を目指す視覚を失った女性「走ることが大好き」

昼食の親子丼を手際よく作る女性。ただ、ほとんど何も見えていないといいます。

(記者)
「感覚で作っている?」
(久保瞳さん)
「そうです。そうです。だから顔を向けとっても、向けなくても関係ない。その代わりに、どこに何を置いたかを全部覚えていないといけないから、人が移動させたら大変です。まず分かりませんからね」

岡山市に暮らす久保瞳さん、78歳です。網膜色素変性症という目の難病を患っています。徐々に視力を失う病気で、現在は、ほとんど何も見えず、目の端に明るさを感じる程度だといいます。

そんな久保さんの楽しみはマラソンです。おかやまマラソンに出場するため、ボランティアの伴走者とともに週3回の練習に励んでいます。

(久保瞳さん(78))
「今年はとりあえず完走。できばね、5時間半で走れたらいいなと思いますけど、もうあんまり欲張りません。完走するのを目標に今回は走ろうと思っています」

(伴走者 光藤省三さん)
「後ろ姿を見ていたら、あとをついていかないけんなと思う」

久保さんは疲労骨折で出場できなかった昨年を除き、第1回大会から「おかやまマラソン」に出場し続けてきました。そもそもなぜマラソンを始めたのでしょうか。