威勢の良い仲買人の掛け声によって競り落とされていくイセエビ。夜に活発になるイセエビを漁師は素潜りで捕獲します。


国頭漁協の漁師
「単純にお宝ですよね。みんなでたくさんとれれば良い感じです。そしたらみんなで所得も上がっていく」

イセエビは他の魚介類よりも高額で取引されるため漁師の間では貴重な存在となっています。

国頭漁協の漁師
「小さい奴はだめ、小さいのはだめなので放流します」

イセエビは原則として漁協組合員以外が獲ることが出来ず、一般の人が獲った場合罰せられることがほとんどです。さらにイセエビの産卵期にあたる4月から7月までの4か月間は漁協組合員でも捕獲が禁じられています。また資源保護のために小さい個体をとることも禁じられています。

しかし、その海の資源を盗難する行為がたびたび確認されています。

おととしに撮影された、密漁が疑われるグループの1人を捉えた映像では、暗闇のなか獲物が入っているとみられる箱をひきずり、海中から出てくる様子が確認できます。

国頭漁協 伊藤和浩(いとう かずひろ)さん
「イセエビの密漁が特に多い、密漁者はイセエビ漁解禁前が多いですし、最近の傾向ですと1年中いる感じはする」


国頭漁協の伊藤和浩さんは沖縄本島北部の沿岸で、イセエビの密漁が多発していることを嘆きます。国頭漁協によると国頭村と東村の沿岸だけでも、イセエビなどを密漁したとみられる行為が5年ほどでおよそ70件確認されています。

国頭漁協 伊藤さん
「イセエビの体調が5、6センチのやつも獲っていく人がいて、これどこを食べるんだろうという感じのイセエビまで獲ってしまうという人もいて、怒りを感じますね」

相次ぐ密漁。この卑劣な行いを防ぐための国頭漁協の組合員などで構成されるメンバーはパトロールを行っています。

国頭漁港 伊藤さん
「一番国頭村の南に下がってから北上して国頭村1周まわる予定です」

密漁者がよく現れるという場所に差しかかるとー