すぐに浮かび上がった「不審な火災」、そして「次男の名前」
事件後、現場付近に駆け付け取材を行った記者、すぐに「あること」がわかった。事件の約2か月前まで、隆一さんは柴田町ではなく隣の大河原町に住んでいた。

そして、当時住んでいた家は火災で全焼していたのだ。消火にあたった消防団員の男性は、現場にいた隆一さんの長男がこんなことを話しているのを聞いたという。
「次男の直哉が灯油をこぼして線香の火が引火した」
家の燃え方は激しく、男性は「灯油であそこまで家が燃えるのか」といぶかった。
この不審な火災については、大河原町も調査を行っていた。調査結果は、「こぼれたガソリンが気化し、線香の火が引火した」というものだった。
その後も隆一さんの友人や知人、地元の人に取材を重ねるたびに、直哉の名前が多く登場した。地元では、「次男・直哉が怪しい」と噂が立っていたのだ。