南太平洋の国、サモアでは出生時の性別と自認する性が一致しないトランスジェンダーが伝統的に受け入れられてきました。そんなサモア社会の価値観を、芸術を通じて伝えようとする日本にルーツを持つサモア人のアーティストを取材しました。
オーストラリアで開かれたフランスのポスト印象派の画家ゴーギャンの展覧会。そこに南太平洋の島国サモアのアーティスト、キハラ・ユキさんの姿がありました。
日系サモア人アーティスト キハラ・ユキさん
「(私の日本語は)幼稚園の日本語」
日本人の父親を持つキハラさんは出生時の性別と自認する性が一致しないトランスジェンダーで、10代の頃にカミングアウトしました。
サモアでは伝統的に「男性に生まれながら女性として、あるいは女性のように生きることを選んだ人たち」のことを「ファファフィネ」と呼ぶ文化があり、広く受け入れられています。
その「ファファフィネ」であるキハラさんが手がけたのが、この作品。
日系サモア人アーティスト キハラ・ユキさん
「これは『フォノフォノ・オレ・ヌアヌア=虹のパッチ』という作品です」
同じ南太平洋のタヒチの女性らを描いたゴーギャンの代表作を真似しつつも、キハラさんはタヒチの女性らを「ファファフィネ」の人たちに置き換えました。
日系サモア人アーティスト キハラ・ユキさん
「私の作品の主張は、人々が性別やセクシュアリティで判断されることがなく、自然と調和して暮らす世界を想像できるということです」
キハラさんは性の多様性を伝統的に受け入れてきたサモア社会を表現したこの作品を通じて、ゴーギャンの絵に見られるような南太平洋を「ユートピア」として単純化して描く、西欧の植民地主義的な価値観を批判しているのだといいます。
キハラさんは、自らのルーツでもある日本の人たちにもサモア的な価値観について知ってもらいたいと話します。
日系サモア人アーティスト キハラ・ユキさん
「太平洋地域、特にサモアと実際に関わり、先住民の人々がジェンダーやセクシュアリティを(男か女かのどちらかという)二元的なものではなく、多様なアイデンティティの表れ方としてとらえていると知ることで、日本の人たちも多くを学べると思います」
キハラさんは、海洋汚染や核戦争などのイメージを着物に描いた作品も発表しています。
日系サモア人アーティスト キハラ・ユキさん
「太平洋(地域)は日本のすぐ隣にあります。両地域が近いことから、得られるものはたくさんあるのです」
キハラさんは作品を通し、異なる文化を持つ日本と太平洋地域の関わりが一層深まることを願っています。
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