「あなたは向いていませんよ」という結果が出たら…
藤森祥平キャスター:
遺伝子研究にブレーキをかけた国立スポーツ科学センターですが、主にアスリートを選別することに繋がるのではないかということです。
例えば、遺伝子情報がわかったことで、本人が望んでいるスポーツができなくなって、望まないスポーツの実施を強制されることは回避しなければいけない、という倫理上の問題です。
▼国立スポーツ科学センター 遺伝子研究停止
<アスリートの選別を懸念>
「望むスポーツができなくなる、望まないスポーツの実施を強制されることは回避されなければならない」
小川彩佳キャスター:
研究停止ということについて、どうお感じですか。
教育経済学者 中室牧子さん:
私も、福先生と同じ考えで、研究を続けることも選択肢としてあったのではないかなと思うんですよね。日本で研究をやめてしまっても、海外で続いていくということは、普通に考えられるのかなと思うんです。
一方、同じ研究者としては、国立スポーツ科学センターの研究停止という判断は、すごく重いというか、非常に苦しい決断だったのではないかなとも想像します。
研究の結果、科学が明らかにした不都合な真実みたいなものが、思わぬ方向で人々に受け止められてしまうようなことをすごく恐れたのではないかと思うんです。
例えば、先ほどもあったように、良い方向で後押ししてくれたということなら良いんですけれど、「あなたはこういうのには向いていませんよ」など、そういう結果が出てしまったら、それを信じてしまって、結果としてそうなってしまうことはあるのではないかと思うんです。
例えば、高齢者に対して、「目が悪いので読むスピードが遅くなります」と言った後に、文章を読んでもらうと、実際に読むスピードが遅くなるという研究があるんですよ。
なので、「あなたはこのスポーツに向いていない」と言われると、信じてしまって、結果として、そうなってしまうことも引き起こしてしまうので、そうなってもらいたくない気持ちがあったんじゃないかと思います。














