宮城県内で20人以上が犠牲になった2019年の台風19号による豪雨災害から5年となりました。特に大きな被害のあった丸森町で母や姉、妹を亡くした女性は、今も寂しさを抱えながら被災した実家の跡地に通い続けています。

台風19号が奪った家族らの命

「これはね、実家の庭なんです。私が撮った写真なんですね」。母親との思い出を語る女性。丸森町小斎に住む天野民子さん(73)です。

天野民子さん:
「(母は)最期まで元気だったから。でも腰は曲がっていたね、ずいぶん」

5年前、台風19号の被害で母親を含む家族・親類を亡くしました。

天野民子さん:
「早いですね。もう5年が経ったのかという感じがします」

2019年10月、県内を襲った台風19号。丸森町では、関連死を含め県内で最も多い11人が死亡するなど特に大きな被害が出ました。

天野さんの実家があった子安地区では大規模な土砂崩れが発生。実家にいた母・大槻竹子さん(当時92)と姉の利子さん(当時70)、それに避難してきていた妹の小野正子さん(当時63)とその夫の新一さん(当時67)が巻き込まれ、3人が死亡、正子さんは行方不明のままです。

天野民子さん:
「初めて現場を見て、もう言葉が出なくて号泣状態」