刑務所の構造にも工夫がこらされています。

市原青年矯正センター 久保田聖史 庶務課長
「各受刑者の個室になっております。自由に出入りすることができます」

個人の部屋に鍵はありません。規則正しい生活が送れないことから、犯罪に転落していった人も多いため、一般社会と近い環境で自ら時間の管理までさせるのです。

闇バイトから詐欺の受け子になったAさんも、自分を変えようとしていますが…

Aさん
「自分のことを少しは知れるんですけど、なんて言うんですかね。理解してそこを直そうとする。ちょっと悪い部分があったとしたら直そうと思うんですけど、ちょっと難しいなって」

こうした受刑者に向き合うために定員1000人を超える刑務所もあるのに対し、市原青年矯正センターの定員は72人。全国の刑務所で最少です。

さらに、受刑者1人に2人の担任がつき、週に1回面談を行います。

Aさん
「次掃除なんですけど、正直やったことないんで。やり方がわかんないんで」

Aさんは、他の受刑者と分担して行う掃除について不安を抱えていました。

職員
「配食とか見てても、食事の盛り付けだってみんなと協力してできてるし、息合わせてやるっていうことが大事になる」

Aさん
「協力して」

少しずつ少しずつ、特性に合わせて更生していけるよう促します。

市原青年矯正センター 福田妃里子 教育専門官
「本当に基本的なところからまず始めていって、社会に戻った時にしっかり粘り強く生活していくためには、ここで嫌なことからも逃げないで生活をしていかなきゃいけないよねっていうところを伝えていけたらいいかな」

Aさんに今の目標を聞いてみると…

Aさん
「散々いろんな人に迷惑かけてきちゃったんで、普通の生活というのは言い方がおかしいかもしれないですけど、次は裏切らないように一生懸命できたらなと思ってます」

それぞれが罪や自分と向き合った後、社会に出られるように。刑務所の模索は続きます。